2017 Fiscal Year Annual Research Report
RNA modifications of human tumors
Project/Area Number |
16K15256
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | m6A / RNA修飾 / WTAP / METTL3 / METTL14 / FTO / ALKBH5 / ヒトがん |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトRNAの修飾とくにm6Aと略称されるN6-methyladenosineは、3'UTRにちかいところと、5'-UTRに近いところにpeakがあると信じられており、細胞のtranscriptの安定性などに大きな影響を与えると考えられている。この修飾は、m6A methyltransferaseとm6A demethylase という逆方向に作用するいくつかの酵素によってdynamicに制御されており、メチル化(writer)にはMETTL3, METTL14, WTAPなどがり、また脱メチル化(eraser)にはFTO, ALKBH5などがしられている。さらにm6A readerと言われるYTHDC1などが処理後にもmRNAのprocessingに関与し、さらに核外で、YTHDF1, YTHDF2などがtranslationやmRNA decayなどに関わる。このようなRNA代謝のダイナミズムがヒト腫瘍でどのようになっているかを肺がん組織を用いて検討した。ヒト肺腫瘍ではm6Aは対応する非腫瘍部よりも多く、ほぼ1.2倍ほどで(P = 9.36 x e^-10)である。126例の肺がん例で、腫瘍部と非腫瘍部m6Aの比の値を種々の臨床情報(年齢・性・喫煙歴・組織型・stage)と比較しても特徴的な相関は見られない。しかし詳細に分子病理学的検討を行うと、リン酸化EGFR発現例ではm6A/Aの値は 低値であり、有意差に到達していないがEGFR変異陽性例で同様に低い傾向が見られる(total EGFRでは差はでない)。これらのシグナル下流のSTAT3やAKTのリン酸化も低下する。また、m6A/Aの値の高いほうが予後は悪い。さらにMETTL14, METTL3, WTAP, FTO, ALKBH5の発現を日本人の肺がんで実際に調べ、病理学的意義を明らかにし、とくにWTAPに注目して、高発現肺がん株を用いて標的遺伝子の機能解析を行い、肺がんにおける動態を明らかにしつつある。
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Research Products
(5 results)