2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of combinational therapy of non-thermal plasma and carbon nanotubes
Project/Area Number |
16K15257
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊國 伸哉 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90252460)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低温プラズマ / フェロトーシス / カーボンナノチューブ / ナノマテリアル / 中皮腫 / フェリチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カーボンナノチューブと低温プラズマを融合させた新規治療法の開発を目的として実験を施行した。線維芽細胞と悪性中皮腫細胞を比較すると抗がん剤シスプラチンへの感受性に有意差はないにもかかわらず、低温プラズマ照射への感受性は悪性中皮種細胞において有意に高いことが判明した。低温プラズマの作用は、クエン酸アンモニア鉄処理で感受性が増加し、鉄除去性キレート剤デスフェラールの処理により感受性が減少した。従って、細胞内鉄濃度が低温プラズマへの細胞の感受性を決定する重要因子であり、細胞死に脂質過酸化を伴うことからフェロトーシスであることが判明した。低温プラズマ照射に伴いIRP1/2やトランスフェリン受容体タンパク質の有意な減少を認め、フェリチンタンパク質の有意な増加を認めたため、細胞内の触媒性Fe(II)が増加していると考えられた。その機構解明のため電子顕微鏡による解析を行うと、細胞死に至る過程で、エンドサイトーシスの活性化とオートファジーの関与が明らかとなった。同時にLAMP1の増加も認めたため、ライソゾーム形成あるいはフェリチノファジーの関与が示唆された。さらに、in vitroの実験でフェリチンに低温プラズマを照射すると、フェリチン殻の破壊と同時に保管されていたFe(III)がFe(II)に還元されリリースされることも明らかになった。次に、カーボンナノチューブが中皮細胞に作用するときに分泌されるタンパク質を網羅的に同定した。興味あるものとしてCSF-1が同定された。このタンパク質はカーボンナノチューブの曝露でマクロファージ細胞からも分泌され、そのM2分化を誘導することが判明した。これらの結果から、低温プラズマもカーボンナノチューブもその細胞傷害性には細胞内の鉄が主要な決定因子となっており、少なくとも中皮腫細胞においてはフェロトーシスを起こすことが明らかとなった。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Non-thermal plasma induces a stress response in mesothelioma cells resulting in increased endocytosis, lysosome biogenesis and autophagy.2017
Author(s)
Shi L, Ito F, Wang Y, Okazaki Y, Tanaka H, Mizuno M, Hori M, Hirayama T, Nagasawa H, Richardson DR, Toyokuni S.
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Journal Title
Free Radic Biol Med.
Volume: 108
Pages: 904-917
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Ferroptosis: A Regulated Cell Death Nexus Linking Metabolism, Redox Biology, and Disease.2017
Author(s)
Stockwell BR, Friedmann Angeli JP, Bayir H, Bush AI, Conrad M, Dixon SJ, Fulda S, Gascon S, Hatzios SK, Kagan VE, Noel K, Jiang X, Linkermann A, Murphy ME, Overholtzer M, Oyagi A, Pagnussat GC, Park J, Ran Q, Rosenfeld CS, Salnikow K, Tang D, Torti FM, Torti SV, Toyokuni S, Woerpel KA, Zhang DD.
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Journal Title
Cell.
Volume: 171
Pages: 273-285
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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