2016 Fiscal Year Research-status Report
皮膚希少癌における制御性T細胞の解析と新規免疫療法の有効性の研究
Project/Area Number |
16K15259
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山崎 小百合 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70567255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田中 瑞夕 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (00510281)
今井 優樹 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30440936)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 制御性T細胞 / 皮膚稀少癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、自己免疫寛容の維持に重要な制御性T 細胞が腫瘍免疫も抑制している事を世界に先駆けて発見した。進行性メラノーマにimmunecheckpoint inhibitor といわれる抗CTLA4 抗体や抗PD1 抗体による治療が開始され、効果をあげている。一方、血管肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌 などの皮膚希少癌においては、手術しても再発し難治であるにも関わらず、新しい免疫療法の適応は未だにない。さらにこれらの皮膚希少癌は高齢化社会において増加しているため、新しい有効な治療法がのぞまれている。難治なこれらの皮膚希少癌に対し、抗CTLA4 抗体や抗PD1 抗体などのimmune checkpoint inhibitor や制御性T 細胞による免疫寛容解除療法が、有効であるかを検討するために、本研究にて皮膚希少癌における免疫学的な解析を行う。これまでに世界中でみても皮膚希少癌におけるimmune checkpoint 関連分子であるCTLA4 やPD1,PDL1,PDL2 の発現を含んだ制御性T 細胞の解析はほとんどなされていない。本研究にて、治療法のない皮膚希少癌における免疫寛容解除による新規免疫療法を実現するための基礎的データを事を目指す。初年度は、皮膚希少癌のサンプリング、保存を行い、末梢血、腫瘍浸潤リンパ球のフローサイトメーターで解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌などの皮膚希少癌はまれであるため、サンプリングに時間がかかると思われたが、それにもかかわらず、特にメルケル細胞癌については順調にサンプリングが進んで、貴重なサンプルの保存もできた。今後も継続してサンプリングを行う計画である。血管肉腫、隆起性皮膚線維肉腫についても積極的にサンプリングを継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
血管肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌などの皮膚希少癌はまれであるが、引き続きサンプリングを行い、適切なサンプルの保存を行う。 血管肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌における免疫組織学的解析/組織における腫瘍浸潤リンパ球、制御性T 細胞の分布を確認するために、免疫組織染色を行う。近年の研究で、制御性T 細胞の機能にはFoxp3転写因子の発現のみでなく、制御性T細胞特異的なエピゲノムの発現が必要であることが判明している。エピゲノム解析により、浸潤している制御性T 細胞の抑制機能の新たな制御法開発への貢献が可能となる可能性もあるため、血管肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌における制御性T細胞のエピゲノム解析も行う。immunecheckpoint inhibitor といわれる抗CTLA4 抗体や抗PD1 抗体がメラノーマでは有効と判明しており、世界中ででGene-expression 解析などが報告されている。これらのデータと比較するために皮膚希少癌におけるGene-expression 解析も行う。
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Research Products
(9 results)