2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Non-coding RNA Y1 during iPS reprogramming
Project/Area Number |
16K15260
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
五條 理志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90316745)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リプログラミング / non-coding RNA / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に報告したRO60タンパク質と共沈するタンパク質DDX6(p54, RNA helicase)はRNA代謝の中心であるProcessing-body(PB)の構成タンパク質の一つである。PBは細胞質に存在する粒子様でmicroRNAを介したRNAの分解や貯蔵に関わっていることが報告されている。本年度はiPSリプログラミング中のDDX6の機能を解析し、RNA代謝への影響を評価した。まずiPSリプログラミング中の細胞(OCT4陽性)の86%にてDDX6は陽性を示しており、RNA代謝が促進していると予想される。次にCRISPR/Cas9 systemにてDDX6、RO60をそれぞれ破砕したヒト胎児肺由来線維芽細胞TIG-1を作製し、iPSリプログラミングを行ったところ、DDX6を破砕した株のみiPSリプログラミング効率が激減した。このことからDDX6はiPSリプログラミングで重要な役割を果たしており、RO60とRNY1はその制御に関わっている可能性が高い。そこでRNY1をノックダウンした細胞にiPSリプログラミングし、DDX6とRO60の挙動を観察したところ、RO60とDDX6の局在が変化していた。この結果から、RNY1はRO60とDDX6の挙動に影響を与えることで、リプログラミング効率に影響を与えている可能性を示唆できた。実際にsiRNY1処理した細胞はリプログラミングしても線維芽細胞様の特性を維持し、hsa-miR-302-3pによるMET関連遺伝子のRNA分解を阻害していた。以上の結果より、RNY1はRO60とDDX6の局在に変化を与え、リプログラミングに影響を与える因子であることを明らかにした。
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