2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel method to reversibly inactivate gene products by using chemical genetics
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16K15289
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒崎 知博 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任教授(常勤) (50178125)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | syk / ケミカルジェネティクス / 時空間 / 可逆的阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定の遺伝子の活性を、「ある時空間のみ変異させ」、将来どのような効果をもたらすかの検定の重要性は言うまでもない。例えば、B細胞の場合胚中心(GC)反応を経て、メモリー細胞が形成されるわけであるが、GCの過程で生じる変化が、メモリー細胞機能にどのような影響を与えるかは非常に重要な命題にもかかわらず、この命題へのアプローチが困難を極めている。 ある酵素の阻害剤は、in vivo投与した場合、その特異性を十分に担保さすことが非常に困難である。又、個体の中で、どの細胞の酵素を阻害して、表現系が表出しているのかを特定できない。従って、その結果の解釈に常に疑義がはさまれることになる。この特異性の点を克服するために、本研究では酵素遺伝子サイドに変異を加え、この阻害剤の特異性を飛躍的に上昇させ、この変異遺伝子と新規阻害剤の組み合わせで、可逆的in vivo阻害をおこなおうとするものである。 昨年度、細胞レヴェルで変異酵素、及び阻害剤の組み合わせの候補を、見出したので、本年度は、この組み合わせが、個体レヴェルでも有効に働くかどうかの検定を行った。具体的には、変異Sykをレトロウイルスベクターで構築し、Sykf/f ERT2Creが発現しているマウスの骨髄細胞に感染させて、変異Sykを発現するB細胞をマウス個体内で構築した。このマウスよりB細胞をとりだし、in vitroでtamoxifen処理をし、まず、野生型Sykをdeleteし、変異型Sykのみ発現している細胞で、阻害剤処理をした。この結果、効果的にSykの阻害をうけていることが、in vitro primary細胞で確認できた。しかしながら、in vivoで阻害剤を投与すると、有効期間が非常に短く、おそらく、この阻害剤がin vivoで非常に早く分解されることが示唆された。
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Research Products
(11 results)