2016 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制分子CD200受容体を標的とした新規がん免疫療法の開発
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16K15291
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
佐藤 克明 宮崎大学, 医学部, 教授 (40301147)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / 適応免疫 / がん免疫 / T細胞 / 機能制御分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では抗マウスCD200R抗体のマウスCD200R+DCregに対する生体内特異的除去効果とT細胞応答増強効果について検討した。その結果、コントロールIg投与と比較して、抗マウスCD200R抗体クローンの投与では末梢血、脾臓、リンパ節、骨髄においてCD200R+DCregの特異的除去が認められた。さらに、コントロールIg投与とは異なり、抗マウスCD200R抗体クローンの投与によりCD200R+DCregの除去に基づく抗原特異的T細胞移入/分裂能、抗原特異的CD4+T細胞応答、抗原特異的CD8+T細胞/cytotoxic T lymphocytes (CTL)応答等のT細胞応答増強効果及びFoxp3+Treg細胞生成阻害効果が認められた。一方、CD200R+DCreg特異的消失マウス(CD200R-ジフテリア毒素[DT]受容体[DTR] knock-in [KI]マウス)を用いてマウスCD200R+DCregに対する生体内特異的除去効果とT細胞応答増強効果についても検討した。その結果、野生型(WT)マウスと比較して、CD200R+DCreg特異的消失マウスでも末梢血、脾臓、リンパ節、骨髄におけるCD200R+DCregの特異的除去が認められた。さらに、WTマウスとは異なり、抗マウスCD200R抗体クローンの投与によりCD200R+DCregの除去に基づくT抗原特異的T細胞移入/分裂能、抗原特異的CD4+T細胞応答、抗原特異的CD8+T細胞/CTL応答等のT細胞応答増強効果及びFoxp3+Treg細胞生成阻害効果が認められた。 以上の結果から、CD200R+DCregは免疫抑制機能を有し、抗マウスCD200R抗体クローンの投与によるその除去は免疫増強を導くことが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題申請書の年度計画に従って、研究の進捗が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度では、以下の解析を行う。 3. 担がんマウスでのT細胞応答増強効果の解析 4. 担がんマウスでの抗腫瘍効果の解析 5. 抗ヒトCD200R抗体の作製
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Remarks |
宮崎大学医学部医学科感染症学講座免疫学分野 http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/meneki/
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