2017 Fiscal Year Annual Research Report
Time-dependent and random variations in emergency calls in a metropolitan area
Project/Area Number |
16K15301
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 高明 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00195900)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 医療データ / 国際疾病分類 / 季節変動 / 自己相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は疾病発症の季節変動を解析する手法について検討を行うため、我々が入手している医療データを対象にした研究を追加した。解析対象は2011年4月から2017年3月の6年間での40-59歳のE社健康保険組合加入者18,615人(被保険者と被扶養者)のレセプトデータである。患者の抽出には国際疾病分類第10版(ICD-10)傷病名のみを用いる方法(extraction 1)と、ICD-10およびその疾病に関連する解剖治療化学分類(ATC)による処方箋情報の両方がレセプトデータに記載されている場合を抽出する方法(extraction 2)の2通りを用いた。月単位で同一患者のレセプトを名寄せし、各月ごとの加入者数100人あたり受療率を算出した。季節変動の解析にはThe Seasonal and Trend decomposition using Loess(STL) 法を用い、変動を季節性、長期傾向、残差の3要素に分離した。さらに高血圧性疾患、糖尿病、脂質異常症については男女別及び年代別(40代、50代)で同様の解析を行った。また12か月ごとの周期性を検定するために自己相関分析を行った。 STL法の結果、extraction1、2ともに虚血性心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患、糖尿病、脂質異常症の全てで秋から冬にかけて受療率が高く夏に低いという季節変動がみられた。男女別及び年代別の検討では季節変動に性差は見られなかったが、50代において高血圧性疾患、糖尿病、脂質異常症の全てで2015年度頃から受療率の低下傾向が見られた。自己相関分析の結果、extraction1,2ともにすべての疾患で有意な12か月ごとの周期性が見られた。
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