2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cost-effectiveness of regular screening tests on cirrhosis for hepatocellular carcinoma based on the tumor growth model
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16K15303
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石田 博 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50176195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪飼 宏 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (70522209)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / サーベイランス / 費用対効果分析 / 腫瘍増大モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌のハイリスクグループであるC型肝炎ウイルス(HCV)による肝硬変患者への定期サーベイランス検査(腫瘍マーカおよび画像検査)の費用対効果を見る目的で、既存のエビデンスをもとに腫瘍増大モデルに基づいたMarkovモデル構築を行った。文献から個別患者情報を取得した腫瘍増大倍加速度(メジアン:123日)により指数関数、ゴンペルツモデルでの増大を想定し、また、肝細胞癌のスクリーニング検査における腫瘍径(≦3cm、3~≦5cm、>5cmの3期)別の診断特性を組み合わせ、肝細胞癌発見後の治療選択については腫瘍径と腫瘍個数、背景肝状態からの肝癌診療ガイドライン治療アルゴリズムをもとに施設例を参考にモデル化した。国内での汎用性を高めるために肝細胞癌治療予後については全国原発性肝癌追跡調査報告(2006~2007:肝切除術、局所療法、TACE)の生存率を、また、初発肝癌治療後の死亡までの経費についてはNDBデータを利用し治療法別に初回治療期、中間期、ターミナル期の3期に分け算出した経費を活用した。 HCV肝硬変患者コホート(55歳)に対し、20年間の6ヶ月毎のサーベイランス検査(AFP、PIVKAII、超音波検査)の生涯にわたる時間水平のもとでのシミュレーション解析では、ゴンペルツモデルでは5cm以下の肝細胞癌における自然歴での死亡率の仮定に大きく影響されたが、指数関数モデルでは期待余命1年の増加あたり増分費用対効果比は100万円以下と費用対効果の優れた結果が得られ、また、検査間隔の6、12,24ヶ月毎の比較では6ヶ月毎で余命延長が最も大きくなり増分費用効果比も十分許容範囲であった。肝細胞癌の自然歴における予後、繰り返しの組合せ検査における診断能、および、腫瘍径に基づく診断特性と治療選択等のエビデンスに関する報告が乏しいことが本手法の限界であった。
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Research Products
(2 results)