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2016 Fiscal Year Research-status Report

薬局「検体測定室」を活用したセルフメディケーション推進効果の検証

Research Project

Project/Area Number 16K15308
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

鈴木 匡  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20555081)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords検体測定室 / セルフメディケーション / 薬局 / 生活習慣病予防 / ヘモグロビンA1c
Outline of Annual Research Achievements

愛知県内12の検体測定室を実施している保険薬局と提携し、薬局検体測定室での定期的なHbA1c,血中脂質、血糖値の自己採血による測定と、血圧、体重、身長の測定等を実施してきた。同意のとれた薬局来局者に定期的な測定と生活指導を行い、本学で作成した生活習慣チェックシートによる薬局での薬剤師の指導が、測定値や生活習慣に及ぼす影響を現在検証中である。
連携保険薬局での、継続的な測定と指導のパイロットスタディを行い、本学で作成した生活習慣チェックシートによる継続的な指導と検体測定が、生活習慣の改善や特にHbA1cの改善に有効であることを示唆するデータを得ることができた。その効果・有用性を示唆する研究結果は、YAKUGAKU ZASSHIに公表し、第26回日本医療薬学会年会で発表した。
その成果を基に、12の連携薬局の研究参加薬剤師を集めて、本格的なランダム化比較試験を開始する打合せを行い、検体測定室での測定項目、血液検査以外の測定項目とその実施方法を検討。研究対象とする被験者の条件の再検討、さらに本学で開発した生活習慣チェックシートを使用した生活指導を行う際の指導方法の統一と、ランダム化比較試験の研究詳細の確認を行った。生活習慣の指導の際は、食事、運動、睡眠、飲酒、喫煙など自分の直近1ヶ月くらいの生活習慣を振り返って、次回測定までの3ヶ月で80%は実行できそうな目標を設定してもらい、次回測定時にどの程度実行できたかを100点満点で自己採点してもらうこととし、その目標設定の方法も指導薬剤師間で統一を図った。
現在、12の連携薬局で、同意を得た被験者(20~75歳の者で、設定した測定値を超えている、生活習慣病予備軍と思われる者)120名を、測定のみ行なう群と、生活習慣チェックシートを使用し、生活目標を振り返る群に無作為抽選で振り分けて、継続的な3ヶ月毎の測定並びに指導を実施中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画にあった、薬局での生活習慣病予防のための薬剤師による簡易で短時間で実施可能なチェックシートの開発と、それを利用した薬局薬剤師による指導方法の確立はほぼ完成した。パイロットスタディでは、実際にその指導方法を実施し、継続的な検体測定を薬局で行なうことで、生活習慣の改善が見られるデータの収集をすることができた。
また、その指導方法が有効であるか、すなわち 薬局で継続的な生活習慣指導を薬剤師が行い、定期的な検体測定(血液検査)、血圧、体重等の測定を行うことが、生活習慣の改善につながり、各種測定値の改善がみられ生活習慣病予防に有効かという 本研究の最も重要なポイントについて、当初の研究連携予定薬局数には及ばなかったが、薬局薬剤師の意識やスキルの統一できた12薬局で、ランダム化比較試験を開始することができた。
現在 120名の被験者で指導のある群とない群60名ごとの2つの群で3ヶ月毎の測定と指導を行ってデータを収集解析中である。

Strategy for Future Research Activity

現在12連携薬局で3ヶ月毎に行っている検体測定、生活習慣指導の6ヶ月継続データが、6月末には収集を完了する予定である。実際の測定データ、聞き取り調査のデータを解析して、薬局薬剤師による指導が、パイロットスタディで見られたような有意な効果につながるかの検証を行う。
少しでも被験者が多い方がデータの信頼性も高いと思われるので、当初の予定に従い、さらに研究参加薬局を募って、ランダム化比較試験の拡大を図る。
検体測定を行わない薬局でも、本学が開発した生活習慣チェックシートと生活習慣の振り返りが、生活習慣の改善、生活習慣病の予防に効果があるかの検証も追加し、さらに効果的な薬局薬剤師による生活習慣改善の指導方法を検証する。
協力薬局の薬剤師への聞き取りを行い、薬局での健康相談を推進し、地域住民のセルフメディケーション推進の現状と課題を分析する。来局者の意識調査も実施して、薬局が、今後、地域住民のセルフメディケーションに具体的にどのように関わっていけば地域医療に貢献できるか、そしてどうすればそれが適切な医療費の削減につながるかさらに考察を深めていきたいと考えている。

Causes of Carryover

物品費については、当初予定していた研究協力薬局が20店舗であったのに対し、12店舗での測定となってしまい、測定者数が予想より少なくなってしまったことと、ランダム化比較試験を開始できたのが9月であったため、予定の測定が次年度まで持ち越す薬局が多く、そのための試薬の購入が次年度に回ってしまったことが挙げられる。
旅費、人件費、謝金については本研究について、当該年度は愛知県薬剤師会の協力が得られたため、研究協力薬局の研修会や協力薬剤師への謝金、交通費、会議費などの支払いが免除されたため費用が節約できた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、研究計画に従い さらに研究協力薬局を増やすことと、既に測定を行っている協力薬局での追加 測定を予定している。次年度は愛知県薬剤師会のサポートは予定されていないので、薬剤師の研修や会議に費用が必要となる。
協力薬局での健康相談測定会の測定項目を増やすため、測定機器の追加購入を予定している。
また 研究に協力してくれた薬剤師、店頭測定に協力してくれた来局者に向けてのアンケートも実施する予定。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 薬局における継続的なヘモグロビンA1c測定と簡易な生活習慣チェックが生活習慣の改善に有効であった3症例2016

    • Author(s)
      藤田直希、鍋谷伸子、梅村紀匡、菊池千草、鈴木匡
    • Journal Title

      YAKUGAKU ZASSHI

      Volume: 136 Pages: 1445-1448

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 薬局店頭での生活改善目標設定による健康指導の効果2016

    • Author(s)
      鈴木理珠、菊池千草、松田隆介、大島秀康、鈴木匡
    • Organizer
      第26回日本医療薬学会年会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館
    • Year and Date
      2016-09-19

URL: 

Published: 2018-01-16  

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