2018 Fiscal Year Annual Research Report
Objective evaluation of communication skills in medical interview
Project/Area Number |
16K15312
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
阿部 哲也 関西医科大学, 医学部, 講師 (20411506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 順滋 関西医科大学, 医学部, 講師 (60368248)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 会話分析 / 医療面接 / 共感 / 開放型質問 / 閉鎖型質問 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療面接における問診では、開放型質問・閉鎖型質問の選択と共感が関連づけられることも多い。共感の客観的把握を目指して、平成30年度は総合診療科診療場面のビデオ記録における、問診の冒頭部分での医師による開始時質問の種類とその前後での医師ー患者の相互行為を、会話分析を用いて質的に検討した。 開放型質問の使用において、医師は多くの場面でその直前に問診票の記載を確認済みであることを言及し、それ以外では、開放型質問の直後に問診票を確認済みであることを補足することもあった。また患者は、この開放型質問への聞き返しや、質問内容をすでに問診票に記入済みであることの主張、問診票への記載内容と異なる表現での症状説明を行っていた。一方、閉鎖型質問の使用場面では、医師は問診票に視線を向けたり、これを患者と共有したりしながら問診を進めていた。そして患者が、質問に沿ってYes/Noで答えるのみでなく、自発的な問題提示を始めることも多く認めた。これらより問診の開始場面では、診察開始前に患者が記入した問診票の存在を医師・患者ともに強く意識していることが明らかであり、これを適切に扱うことが共感の構築に重要となることが確認された。 開放型質問や患者の心理的負担への理解を示す言葉などの定型句の使用が、共感の方法として教育現場で指導されることがあるが、実際には複数の要因が関与して構築されるものであり、その客観的評価には医師ー患者の特徴的な相互行為パターンの抽出が有用となることが示唆された。
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Research Products
(3 results)