2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel labeling method for affibody by F-18 labeled amino acid and a cell-free protein synthesis system
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16K15314
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50192787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 雄朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70506633)
原田 龍一 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60735455)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射性医薬品 / タンパク質 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
ポジトロン断層撮影法(PET)に用いる薬剤の開発は低分子化合物だけでなく抗体やペプチドなどへと適応範囲が拡大している。その一方で、タンパク質などへの標識反応は従来から使用されているキレート剤を用いる方法や直接カップリングで有機化学的に行う方法でタンパク質にとっては過酷な条件で行われている。申請者らはこれまでに高比放射能アミノ酸と無細胞タンパク質合成試薬を用いて標識タンパク質を合成するという従来にないポジトロン標識タンパク質の合成法を提案してきた。しかし、合成収率や標識部位などの点で改良の余地が残されていた。そこで、本研究では本手法を拡張させるため、直交系のアミノアシル合成酵素-tRNAペアとアンバーコドンに着目し、無細胞タンパク質合成試薬を用いてタンパク質のアミノ酸に依存しない新規ポジトロン標識タンパク質合成の開発を試みた。初年度の平成28年度は、無細胞タンパク質合成試薬に加える4つの因子を調製し、これらを加えて18F標識アミノ酸を導入することができるか検討した。その結果、18F標識されたIL-8およびHER2 affibodyの合成に成功した。また、18F-HER2 affibodyを高い放射化学純度で得ることにも成功し、HER2受容体を高発現するSKOV-3に対して結合性を検討したところ、高い結合性を維持していた。したがって、本手法により、生物学的に活性のある18F標識タンパク質を調製できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画していた通り初年度に4つ因子を調製し、タンパク質標識合成実験を行うことができた。18F標識アミノ酸を合成し、無細胞タンパク質合成試薬を用いてタンパク質の合成を試みたところ、18F標識IL-8、18F-HER2 affibodyの合成に成功し、計画よりも速いペースで進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は、本手法で標識したタンパク質の比放射能や放射化学収率の検討および標識されたタンパク質の結合親和性など18F標識が標的分子の性能に与える影響を検討する。また、合成に成功した18F-HER2 affibodyの生物学的特性をモデル動物を用いてPETにより検討する。
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