2016 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病の先制医療にむけたキラルアミノ酸の病態解析とバイオマーカー開発
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16K15326
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
和田 隆志 金沢大学, 医学系, 教授 (40334784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 賢吾 金沢大学, 附属病院, 准教授 (50432125)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キラルアミノ酸 / 慢性腎臓病 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病において、腎機能低下は腎予後のみならず、全死亡率ならびに心血管系死亡率と密接に関連する。そのため、軽微な腎機能障害の病態を反映し、臨床に簡便に用いられる因子の同定、その早期診断、腎臓病に特異的な診断、治療反応性、予後を反映するバイオマーカー確立は慢性腎臓病の予後改善にむけた重要な課題である。本研究では、新規のキラルアミノ酸メタボローム解析を用いて、慢性腎臓病において病態、予後を反映するアミノ酸の同定を行う。アミノ酸は腎臓の生理的機能はじめ生命の維持に不可欠な要素である。アミノ酸は光学異性体であるD体とL体が存在する。しかし、これまで測定技術が不十分であり、両者を高感度で識別することが困難であった。本研究では、光学異性体のアミノ酸を区別し、かつ網羅的に解析可能なキラルアミノ酸メタボローム解析を用いる。現在、慢性腎臓病の経時的な変化を反映するアミノ酸プロフィルを二次元高速液体クロマトグラフィーにて測定している。これらの検討を通じて、生体内でのキラルアミノ酸の動態に関して評価を行っている。その基盤データに基付き、臨床的意義解明、先制医療、個別化医療に資する研究を行っている。ことに、慢性腎臓病の早期診断、特異的病態、治療反応性、予後と関連するアミノ酸を同定し、慢性腎臓病の新規病態バイオマーカーの開発を目指す。腎生検によらない慢性腎臓病の非侵襲的診断、治療、予後を反映するバイオマーカーとしての確立と臨床への還元を目標としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も引き続き、慢性腎臓病の早期診断、特異的病態、治療反応性、予後に着目し、キラルアミノ酸の臨床的意義を検討する。これまで、新規のHPLCによる網羅的解析方法を用い、慢性腎臓病検体を用いてキラルアミノ酸の分析を進めている。腎臓病の病態などを反映する複数のアミノ酸候補を同定し、その検証を進めている。さらに、これらの検討を通じて本研究の体制基盤を確立し、キラルアミノ酸を介した慢性腎臓病の発症、進展にはたす新規機序、防御機構のメカニズムの解析が進んでいる。新たな技術を用いた本研究により、これまで未知であったキラルアミノ酸の慢性腎臓病の発症、進展、病態に関与する病態を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も引き続き、慢性腎臓病例の検体を用いてキラルアミノ酸の網羅的解析を行い、生体内でのD-アミノ酸の動態とその臨床的意義解明、慢性腎臓病の病態、治療反応性、予後と関連するキラルアミノ酸を同定する。これらの研究を通じて、慢性腎臓病の新規病態バイオマーカーの開発を目指す。慢性腎臓病の病態と関連する新規キラルアミノ酸の同定とともに、パネル化などを通じて臨床検査法としての有用性の検証を順次進めていく予定である。ことに、新たな技術を用いた本研究により、キラルアミノ酸の慢性腎臓病の発症、進展、病態に関与する機能性分子としての役割、その病態を反映する臨床検査診断法としての臨床的意義、新規バイオマーカーとして確立することを目指す。最終的に測定条件を至適化し、臨床に還元することを目標とする。さらに、学会等での密接な交流、調査研究、成果発表などを行い本研究を発展させる。
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Research Products
(3 results)