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2016 Fiscal Year Research-status Report

ヌクリング遺伝子欠失マウスを応用した新規発がん性予測システムの開発

Research Project

Project/Area Number 16K15333
Research InstitutionTokushima Bunri University

Principal Investigator

坂井 隆志  徳島文理大学, その他の研究科, 教授 (80284321)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords肝がん / インスリンシグナル
Outline of Annual Research Achievements

本年は、ヌクリングKOマウスと野生型マウスにおける遺伝的背景の違いを明確にするために、いくつかの実験を行った。まずリアルタイムRT-PCR法を用いて、ヌクリングKOマウスの膵臓及び肝臓におけるインスリン及びその制御因子の発現を調べた。その結果、遺伝的背景は同じであるにもかかわらずKOマウスの個体間でそれらの発現量にかなりのばらつきが認められた。野生型の対象マウスではそのような大きなばらつきは認められなかった。次に、インスリンの膵臓における発現量が野生型の標準偏差内のグループ(KO1)とそれ以外のグループ(KO2)に分け、それぞれのグループでの膵臓及び肝臓でのインスリン遺伝子及びその上流に位置する転写因子であるPdx-1およびMafAの遺伝子発現レベルを野生型と比較検討した。その結果、肝臓におけるインスリン発現量は野生型と比較してKO1では有意差がなく、KO2では優位に上昇していた。またこれら膵臓及び肝臓におけるインスリンの発現量パターンは、Pdx-1の発現レベルパターンと酷似していた。一方MafAの発現量パターンは、膵臓では酷似していたが、肝臓ではKO1グループ、KO2グループともに野生型よりも有意に増加していた。次に、マイクロアレイを用いてヌクリングKOマウスの肝臓及び膵臓における種々の代謝異常症関連遺伝子の発現量の変動を検討した。その結果、正常のヌクリングKOマウスの肝臓では肝がんのマーカーであるαフェトプロテイン(AFP)の上昇も、regeneration markerの上昇も認められなかった。このことから同KOマウスにおける肝がん発症率の増加の要因として胎児肝の成分が残っているとか、liver regenerationが進行しているとか、癌幹細胞が増えているなどではないと思われ、AFPが同KOマウスにおいても肝がんのマーカーとして有用となることが期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

種々の要因によりマウスの準備に手間取り、炎症性肝障害ストレス刺激後のヌクリングKOマウスの生化学データ等を回収することができなかったから。

Strategy for Future Research Activity

ヌクリングKOマウスにおける病態の生化学的及び分子生物学的解析
1)ヌクリングKOマウスにおいて、肝機能(ALT, AST, γ-GTP, TP, 血清アルブミン、A/G, ALP, LDH, ChE)を検査し、肝炎・肝癌発症のステージとの相関関係を病理診断と併せて詳細に検討する。2)肝癌誘導性薬剤として知られるN-nitrosodiethylamineやCCl4に対する反応性(肝癌発症率、発生した腫瘍巣の数と大きさ)をヌクリングKOマウスと野生型マウスで比較する。3)ヌクリングKOマウスにおける肝癌発症に関与する因子を特定するために、ヌクリングKOマウス肝臓と野生型マウス肝臓間でのタンパク質発現プロファイルのプロテオミクス解析を二次元電気泳動法と質量分析を用いて行う。

ヌクリングKOマウスにおける肝炎・肝癌発症機構の解明及び診断法の確立
1)肺胞や腹腔におけるマクロファージの機能に異常がないかを調べる。2)脾臓や腸管粘膜における免疫胚中心形成を検討し、肝免疫異常をもたらしている原因を探る。3)上記検討課題におけるNF-κB経路の関与を解明する。4)肝癌発症に関与する因子を特定するために、ヌクリングKOマウス肝と野生型マウス肝間でのmRNA発現プロファイルを、cDNAマイクロアレイを用いて解析する。また、これにより得られたマーカーを用い、肝癌幹細胞の単離を試みる。

Causes of Carryover

ほぼ予定通りの支出だったが、消耗品の値引きなどにより若干の余剰金が発生したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

マウス維持経費、消耗品費、研究成果発表旅費、マイクロアレイ実験費用など。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] 新規NF-κB 制御分子ヌクリングはインスリンの発現制御に関与している2016

    • Author(s)
      林 文琳、坂井 隆志
    • Organizer
      第39回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      2016-12-02
  • [Presentation] A novel apoptosis associated protein, Nucling Controls Mammary Gland Involution by Regulating NF-B and STAT3, Implication for the pathogenesis of breast cancer2016

    • Author(s)
      1)Dang HV, Sakai T, Pham TA, Tran DH, Yorita K, Shishido Y, Fukui K
    • Organizer
      Inaugural Symposium Biochemistry: Towards Academic Excellenc
    • Place of Presentation
      スリランカ・ボレールズガマワ
    • Year and Date
      2016-06-22
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2018-01-16  

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