2017 Fiscal Year Research-status Report
個人積算線量計を用いたPET-MD試験における被験者内部被曝定量法の開発
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16K15342
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線防護学 / PET / 核医学 / 内部被ばく |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、核医学検査における被験者個々人の内部被ばくを外部に複数置いた個人線量計で推定しようという試みである。
初年度にモンテカルロシミュレーションコードで計算した線源から各線量計に対するレスポンスを用いて、実際に、線源内の放射能が推定できるかをアメリカ電気工業会(National Electrical Manufacturers Association,NEMA)が定めたボディーファントムを用いて検証実験を行った。ボディーファントム内の球状線源3つに放射性水溶液を封入し、ファントム壁面に9個の個人線量計を貼付した。モンテカルロ・シミュレーションコードであるPHITSにて、本ボディーファントムおよび貼付された個人線量計の体系を模擬し、線源から各個人線量計への応答を計算した。この応答値と測定された個人線量計の数値から、最尤推定-期待値最大化法を用いて、3つの線源の放射能を推定した。得られた推定値と実際の放射能を比較したところ、R2=0.99以上と極めて高い相関が得られた。
本実験により、提案手法が精度よく人体内の放射能を推定できることを確認した。また、計算法の最適化を行い、繰り返し数10回で最適解が得られることが明らかになった。本研究の結果は"Personalized Internal Radiation Dose Estimation using D-shuttle in Nuclear Medicine"という演題名で国際学会The 13 th International Workshop on Ionizing Radiation Monitoringで発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、概ね進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度は、実際の臨床データを取得する。 このために、学内の倫理委員会の資料を作成し、倫理審査を受ける。 人に応用するため、人の臓器を模擬したモンテカルロ・シミュレーションを行い、さまざまな体型にも応用可能となるように、あらかじめ、複数の体型に合わせたシミュレーション結果を蓄積しておく。 個人線量計の設置数・設置位置・設置方法に関して検討を行い、このための模擬試験を行う。 本研究結果を論文にまとめ、学術雑誌に公表する。
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Causes of Carryover |
(理由) ほぼ予定通り予算を執行した。予定していた施設利用料が本年度は発生しなかったため、わずかに残額が発生した。 (使用計画) 次年度は、人体の模擬をするため、大型コンピュータセンターの使用量が大幅に増加するため、これに充てる。
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Research Products
(3 results)