2017 Fiscal Year Research-status Report
新型光検出器を用いたSPECT用高分解能γ線源位置検出器の開発
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16K15344
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
遊佐 洋右 新潟大学, 自然科学系, 助教 (80612704)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 単一光子放射断層撮影(SPECT) / ハイブリッド光検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、新型光検出器1本を使用したSPECT試作機を用いてコバルト60密封線源からのガンマ線のデータ取得を行った。特に放射線源の位置決定性能に影響を与えるシンチレーション光の広がりについて詳細に理解するため、光検出器のヒットマップ測定の際に対消滅ガンマ線によるトリガー情報を使ってその方向を限定した測定を実施した。さらにその過程をより詳細に理解するためのシミュレーションによる評価に向けた準備を行った。 現在の測定で用いられている密封線源では放射線源は狭い領域に集中してほぼ点状であると仮定できるため、多くの事象のヒット分布を積算してその形を解析し、位置を特定している。一方、実際の診断で広がりを持って分布する線源の画像を描写するためには一つののガンマ線入射事象の広がりを測定する必要がある。その際の統計量の低下を検出器の設置数を増やして補うため、電源装置やデータ読み出しシステムの拡充を行った。 また、新潟大学医学部保健学科で最近まで実習で用いられていたSPECT装置のシンチレータやコリメータなどを含んだガンマ線測定部分の提供を受けたため、それを新潟大学理学部の高エネルギー物理学実験室に移送して新型光検出器でガンマ線の信号をを取得した。より現行機に近い形の試作機ではあるが、光検出器全体に一様なヒットが見られ線源位置を特定するのは難しかったため、新たな部品の特性についてより深い理解が必要であるということを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線源位置の位置特定精度を向上させるため、その大きな原因要素のひとつであるシンチレーション光の広がりについて密封線源からのガンマ線を用いた測定を通し理解が進んだため。また、最近まで使用されていた装置の構成部品が利用可能になり、より現行機に近い状況で性能評価をする環境が整いつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究業績の概要で記載した新しい試作機で線源位置を特定するため、シンチレーション光の分布を光電子増倍管を使用して測定する。それを元に新型光検出器の設置位置やライトガイドの導入など装置デザインを最適化するとともに高電圧の設定値など光検出器の調整を行う。また、現在までは物理実験室で利用が容易なコバルト60を使っているが、そこから放出されるガンマ線は実際の診断で使われているものよりもエネルギーが高い。そこで、より診断に近い条件で性能評価をするためコバルト57を用いて性能を評価する。最終的な目標である放射線分布図の画像分解能の評価のため、現在得られている新型光検出器のヒットデータを元に画像を描画する手法を確立する。
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Causes of Carryover |
今までの研究で一点に分布する放射性元素の位置特定に関して非常に良い結果が得られている。それを踏まえた診断装置のより具体的な性能評価を実施するため、次年度も研究を継続する。
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Research Products
(1 results)