2017 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of the fraction of serum fatty acids on health and regulatory role of foods and gastrointestinal microbiota on them
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16K15353
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
玉腰 暁子 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90236737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠 淑萍 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90337030)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血中脂肪酸分画 / 摂取食物 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道内一町の住民を対象に、血中脂肪酸分画の体格・体組成、高血圧に対する影響と摂取食物、腸内細菌叢との関連を検討した。食習慣はBDHQを用いて把握した。集合型調査に参加した626名の体格・体組成、血圧を測定し、血液はそのうち545名、糞便は527名から収集した。血中脂肪酸分画は、研究分担者の惠が開発した高速液体クロマトグラフ(HPLC)法を用いて10種類を測定し、炭素結合の数に応じて飽和脂肪酸(SFA)、一価不飽和脂肪酸(MUFA)、多価不飽和脂肪酸(PUFA)に分類した。糞便中の細菌ゲノムDNAの抽出は全自動核酸抽出装置で実施した。DNAシークエンスにはIllumina社製MiSeqを用い、シークエンスデータの菌叢解析はJupyter Notebookによった。 血中脂肪酸分画との関連を性・年齢を調整しロジスティック回帰モデルで検討したところ、肥満ではSFA、MUFAの血中濃度が高くなるとリスクが有意に増加した。収縮期・拡張期血圧で判定した高血圧との関連では、検討した全ての脂肪酸分画で増加に伴い高血圧のリスクが上昇した。 摂取食物と血中脂肪酸分画では、清涼飲料水の摂取量とSFA、MUFAが有意な正の関連を示した。また、血中脂肪酸分画と腸内細菌叢との関連では、MUFAと一般的に「痩せ菌」として知られるBacteroidetes門の存在量との間に有意な負の関連が見られた。 先行研究より、食事からのSFA、MUFAの過剰摂取が肥満、動脈硬化性疾患などのリスクとなることが報告されているが、本研究よりこれら脂肪酸の血中濃度も肥満、高血圧のリスクとなることが明らかとなった。また、ヒトの体格・体組成に影響を及ぼすとされている腸内細菌種とも関連が見られたため、今後の検討課題と考えられた。
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