2018 Fiscal Year Annual Research Report
Health risk and health economic evaluation research of shift work using health insurance claims data.
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16K15361
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
久保 達彦 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (00446121)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 産業医学 / 交代制勤務 / レセプト |
Outline of Annual Research Achievements |
企業が保有する定期健康診断及び健康保険組合が保有するレセプトデータを入手して統合的に解析することにより、交替制勤務従事に伴う健康影響について医療経済的観点も含めた質の高い疫学的評価を行うことを目的として研究を実施した。研究では日本の企業6社から2017年度の①健診データ及び②レセプトデータ、並びに③交代制勤務従事に関する質問を含む問診データの提供を受けた。データの突合が可能であった13,344の労働者から、男性で(女性は交代制勤務者が少なかったため解析から除外した)、健診日時点で降圧薬の服薬がなく、健診での血圧測定結果が収集期血圧140mmgまたは拡張期血圧90mmgを超えいて、解析対象変数にいずれも欠損値ない776名(うち656名は日勤者、120名15.46%が交代制勤務者)を解析対象集団とした。この対象者が2017年度内に医療機関受診状況(定義:高血圧症の病名のあるレセプトデータの発生)を追跡した。統計解析にはカプランマイヤー生存曲線及びコックス比例ハザードモデルを用い、多変量解析の共変量としては、年齢、既往症の有無、健診時点での自覚症状有無、他覚症状の有無、生活習慣の改善意思、保健指導の希望有無を投入した。結果として、215,829人日の追跡に間に776人のうち168名(21.7%)が医療機関を受診していた。群間比較において、交代制勤務者は日勤者と比較して未受診リスクが有意に高く(log-rank検定 p=0.001)、カプランマイヤー生存曲線によってリスク差が可視化された。コックス比例ハザードモデルによる多変量解析では、共変量で調整した後も日勤者と比較して交代制勤務者の高血圧症未受診リスクは有意に高く、日勤者と比較した交代制勤務者の受診率比は有意に低下していた(ハザード比0.56, 95%信頼区間 0.33-0.94, p=0.03)。
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