2017 Fiscal Year Annual Research Report
PM protein 1 may be one of transboundary environmental factor.
Project/Area Number |
16K15373
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荻野 景規 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70204104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 憲次郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40752374)
江口 依里 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60635118)
伊藤 達男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80789123)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | PM蛋白1 / PM蛋白2 / PM2.5 / 大気汚染物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の3つの課題に関する実績を報告する。 1)PM2.5タンパク質に対する抗体による新しいPMタンパク質の同定.50kDa以外の50kDa、30kDa、10kDaのタンパク質は、抗PM2.5抗体の免疫沈降によりSDS-PAGEでは検出されているが、プロテオーム解析で有意なタンパク質の情報は得られなかった。 2)PM蛋白1及びPM蛋白2のPM2.5における存在の確認.PM蛋白1に特異的に反応する蛍光物質を用い、PM2.5にPM蛋白1が存在することが確認された。さらに、PM2.5を直接、SDS-PAGEで泳動し、その後の免疫ブロットで、抗PM蛋白1抗体(ポリクロ、モノクロ)で確認され、大気中濃度を概算すると1-2ng/m3であった。PM蛋白2の抗体による免疫ブロット法では、PM蛋白2の存在は、確認されていない。また、PM2.5は、タンパク質が非特異的に結合しやすく蛍光標識抗体を用いてPM2.5に結合したPM蛋白1を顕微鏡的に観察することは困難であった。 3)PM2.5タンパク質、PM蛋白1、PM蛋白2と、大気環境物質及び喘息症状との関連.PM2.5タンパク質、PM蛋白1と大気環境物質との関連性を検討した結果、PM2.5タンパク質は、二酸化窒素(NO2)と正の相関が、湿度、気温と負の相関が認められた。一方、PM蛋白1は、湿度及び気温と負の相関が認められた。重回帰分析を行うと、PM蛋白1は、湿度と負の関連性がありその関連性は他の因子から独立していた。さらに年間を通じてPM2.5中のPM蛋白1を測定し、大気中濃度を算出すると、1月から3月にかけてピークとなること、最大は400 pg/m3まで達することが分かり、重回帰分析結果と一致する結果となった。すなわち、PM蛋白1は、湿度、気温の低い冬場に大気中に上昇し、これまで知られている大気汚染物質とは関連性がないことが分かった。
|
Research Products
(8 results)