2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effect on olfactory epithelium in mice after chronic exposure to 2-ethyl-1-hexanol
Project/Area Number |
16K15375
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三宅 美緒 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (80128610)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環境毒性学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2-エチルヘキサノール(2EH)の低濃度曝露の検討の結果、最終的に0、0.5、10、100 ppmを1日8時間、週に5日間、6ヶ月間曝露を行った。体重増加率は3ヶ月と同様に中濃度から濃度依存的に減少していた。摂餌量は10 ppm、100 ppm群で0.7 g/匹・日ほど低下し、摂水量は0.5 ppm群で1.5 ml/匹・日ほど上昇し、10 ppm、100 ppm群で3 ml/匹・日ほど低下していた。HE染色及びOMP免疫染色の結果、6ヶ月曝露後の嗅上皮には、対照群に比べて嗅細胞の減少と呼吸上皮化生が観察された。減少の程度は濃度依存的であったが、10 ppmと100 ppmの影響には差が見られなかった。また、高鉄ジアミン染色により、嗅上皮粘膜固有層のボウマン腺が減少することがわかった。嗅覚試験では、匂い物質として設定した酢酸エチル10 ppbに対する嗅覚反応が2EH 0.5 ppm曝露群では悪くなる傾向が、100 ppm曝露群では逆に嗅覚試験の成功率が上がる傾向が見られたが、臭い物質の濃度をさらに下げた場合にはそのような変化は見られなかった。 以上の結果により、2EH慢性曝露により、嗅上皮に呼吸上皮化生が起き、嗅細胞が減少することが明らかとなり、嗅上皮の化生に伴い粘膜固有層にも変化が起こったが、嗅覚試験の結果では100 ppm群ではむしろ匂いに対しての判別が良好になることがわかった。
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