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2016 Fiscal Year Research-status Report

新たに発見された発がん要因に対する予防法の開発

Research Project

Project/Area Number 16K15377
Research InstitutionKyoto Prefectural University of Medicine

Principal Investigator

飯泉 陽介  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20533178)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
KeywordsAPOBEC3B / 癌予防 / 天然由来化合物 / スクリーニング
Outline of Annual Research Achievements

癌は、喫煙や紫外線、発癌性物質などの環境要因や活性酸素などが原因となり、正常細胞に遺伝子変異が蓄積することで引き起こされる。ところが、最近の癌ゲノムプロジェクトの成果として、細胞内に存在するAPOBEC3Bという酵素が、様々な癌種で認められる遺伝子変異の直接原因として発表され、大きな注目を集めている。本研究では、この新たに発見された遺伝子変異の原因であるAPOBEC3Bを標的とした、新規癌予防法の開発に取り組む。発癌過程で上昇してくるAPOBEC3Bの発現を低下させることができる天然由来成分を発見することで、APOBEC3B依存的な「内因性発癌」に対する新しい癌の予防法の開発を目標としている。
始めに、APOBEC3Bの発現を低下させる天然由来化合物のスクリーニング系の構築を行った。当初は、APOBEC3Bの高発現が原因でp53遺伝子などに変異が蓄積している乳癌細胞株HCC1569を用いていたが、非常に増殖が遅い細胞株でありスクリーニングには向いていなかった。そこで、培養が容易な癌細胞株の中で、APOBEC3Bの発現を定量RT-PCR法で検出できる癌細胞株を探索した結果、大腸癌細胞株HT-29が見つかった。そして、HT-29細胞株を用いたAPOBEC3Bの発現低下を定量RT-PCR法で検出できるスクリーニング系を構築した。
このスクリーニング系に市販の天然由来化合物ライブラリーを供して、スクリーニングを実施した。その結果、APOBEC3BのmRNA量を減少させる天然由来化合物が2つ見出された。また、APOBEC3BのmRNA量を逆に増加させる天然由来化合物も2つ見出された。このAPOBEC3Bを増加させうる天然由来化合物は、癌予防の観点から、暴露を避けるべき化合物であるかもしれない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していた乳癌細胞株HCC1569でのスクリーニングは実施できなかったが、代わりに大腸癌細胞株HT-29を用いたスクリーニングを実施し、APOBEC3BのmRNA量を減少させることができる天然由来化合物2つを見出した。また、癌予防の観点から暴露を避けるべき可能性のある化合物も2つ見出した。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度で見出したAPOBEC3BのmRNA量を減少させうる天然由来化合物について、その効果の濃度依存性を評価する。また、ウエスタンブロッティング法を用いて、癌細胞内のAPOBEC3Bタンパク質量を減少させるか否かを検証する。さらに、APOBEC3Bタンパク質の減少効果が確認された天然由来化合物について、癌細胞内のAPOBEC3B活性を測定することで、本研究の目的とする天然由来化合物であるか否かを評価する。

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Published: 2018-01-16  

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