2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K15385
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨澤 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (20584551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 智佳 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (40625498)
乾 富士男 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80469551)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 双子研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会において、肥満やメタボリックシンドロームは世界的な健康課題である。欧米に比べ高度肥満者が少ない我が国においても、インスリン分泌能の低い遺伝形質をもつ日本人には糖尿病のリスクが高い。これら生活習慣病には腸内細菌叢が関与していることが分かっているが、 それには遺伝と環境の両方の影響がある。 疾患の予防では特に環境因子へのアプローチが重要となるため、遺伝要因を制御し、特定の環境因子の影響を明確に出来る“スーパーコントロール”であるふたごを対象とした双生児研究法が有用な手法である。本研究は日本人の遺伝的・環境的要因を考慮し、成人のふたごを対象に、肥満などに関与する腸内細菌叢に着目し、予防に有用な環境因子に関する知見を得ることを目的とした。 平成28年度に2組4名の協力者の協力を得てプレ調査を行ったあと、情報収集方法や手段に工夫を行い、平成29年度より本調査を行った。 平成29年度末までに、成人男性31組62名(一卵性双生児29組、二卵性双生児2組)分の便検体と腸内細菌叢に影響すると言われている疫学情報を収集した。便検体についてはその大半については、次世代シークエンサーを用いて16S rRNAシーケンス解析を行い、菌のゲノム遺伝子情報を得た。 そのうち一部について、菌叢比較解析を行い、学会発表を行った。菌叢によるOTU brayにおいても、Unifrac unweightedにおいても、主座標分析において他人間よりもふたごの間の距離が有意に近いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに成人男性31ペア62名のデータ収集を行い、一部分析を行った。本研究では肥満やメタボロームに着目しているが、対象者はBMI高値の方がほとんどおらず、ほぼ血液データや生体データ上は健康体であった。 その為、ふたごを対象としたメタデータ分析手法を探索し、様々な切り口で分析を行っている。 遺伝情報を踏まえた分析と、疫学調査内容と合わせた分析については本来平成29年度より着手予定であったが、平成30年度に持ち越している為、計画を修正している。
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Strategy for Future Research Activity |
本邦のふたご研究では海外のふたご研究と比較して、対象数が歴然として少ない。その為、本年度も引き続き協力を募り、研究対象者を拡大していく。 また、本研究の目的を達成させる為、協力者が登録する大阪大学ツインリサーチセンターの他の研究調査と協力し、収集するデータを拡大していく。 分析については、引き続き腸内細菌叢のふたごの分析方法の検討を継続する。 また、肥満やメタボロームに関連する遺伝情報や、これに関連する疫学データとの関連についても分析を行う。
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Causes of Carryover |
100人に1の割合であるふたごだが、成人のふたごのお二人に協力いただくという点で、ハードルが高く、調査方法を協力者に合わせてカスタマイズしながらデータ収集を行う必要がある。 その為、データ収集そのものに時間がかかっている。 これを改善させる為に、研究に協力いただくために謝金を使用している。 平成30年度は研究体制を強化し、繰り越し分は謝金と分析薬品、郵送費に使用することとする。
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