2016 Fiscal Year Research-status Report
保存時の著作権保証、伝送時の安全性を確保した医療情報の新ハイディング技術の開発
Project/Area Number |
16K15394
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
梅田 徳男 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (40142319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 明子 四日市看護医療大学, 看護学部, 教授 (20290546)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電子透かし技術 / Steganograpyh技術 / 医用画像の著作権保証 / 医用画像の秘匿通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、情報ハイディング技術を利用して、画像の保存・伝送実験を行っている。すなわち、画像発生側で医用画像情報に画像発生施設名の文字情報を秘匿して保存された医用画像は、その著作権が保証される。すなわち、撮影施設の許可無く不正コピーしたこの医用画像を利用した場合には、 隠された画像発生施設名の文字を医療画像から抽出できるので、不正コピーと断定できる。これが電子透かし技術である。一方、Steganography技術の利用は、伝送時には一般画像に医用画像を秘匿させるため、伝送時に不正進入しようとしてこの画像を閲覧しても、一般画像(カバー画像)しか閲覧できない。このため、不正解読の意欲が生じない。このようにして、医用画像の著作権の保証、伝送時の安全性の確保を行う。 研究目的を達成するための基本となる実験システムをすでに構築した。この実験システムを運用して著作権の保証、伝送時の安全性を確認している。電子透かし技術はカバー画像が医用画像で秘匿情報が施設情報や患者情報、Steganography技術はカバー画像が一般画像で秘匿情報が医用画像である。これらのカバー画像の容量が増加しては、情報が秘匿されていることが判明してしまうので、まず、画像容量の変化を調べる。次に、カバー画像の画質評価指標PSNR(Peak Signal to Noise Ratio)、構造類似性SSIM(Structural Similarity)、ハッシュ値を評価する。 評価結果をシステム構築にフィードバックし、システムの設計を変更し、新たなシステムを構築する。このサイクルを次年度内に繰り返し、常に前回の評価が有効に次回のシステム設計に生かされるように配慮している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安全性を確保した医用画像の伝送、医用画像の著作権保証を、既構築の在宅医療支援実験システムを利用して、物理評価、視覚評価する。 平成28年度は研究計画に従って、既構築の実験システムを稼働しつつ、秘匿情報の物理評価を行っている。現在得られている評価結果では、画質評価指標PSNR(Peak Signal to Noise Ratio)が40dB以上、構造類似性SSIM(Structural Similarity)0.99以上が得られている。これらは、人間の目で画像の違いが判別できないレベルとされている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は実験システムを充実させて、協力施設と在宅患者宅での著作権保証のための電子透かし技術を、情報伝送の安全性確保のためのSteganography技術を用いて秘匿情報の物理評価に加え、視覚評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究は2ヶ年計画で目的を達成する計画である。このため、次年度の使用金額も内定されている。 本年度分の物品費のうち、研究計画当初の見積もりから納入業者による値引きが行われたことで、廉価になり残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の研究計画に沿った使用を予定している。
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