2016 Fiscal Year Research-status Report
死後画像診断所見と遺伝子多型の融合解析による身体特徴や疾患へのアプローチ
Project/Area Number |
16K15403
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
竹下 治男 島根大学, 医学部, 教授 (90292599)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 死後画像データ / 身長関連遺伝子多型マーカー / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、死後画像診断を社会制度として取り入れる動きが活発化している中、当大学死後画像センターが2011年6月開設され、4年間で本院入院患者ご遺体約900件、本院外来患者ご遺体約100件、系統解剖体ご遺体約150件、警察依頼法医ご遺体約100件の合計約1250件が施行され、あらたな医学的情報が蓄積されている。本研究では病院内死亡後に死後画像診断に供されたご遺体の所見(死後画像診断特異的身体的所見、薬物感受性、該当疾患等)と遺伝的多型の関連(個人差・民族差)を探り、死後画像診断による内部所見を加味したあらたなゲノムワイド関連解析システムを構築することを目的としている。 現在までに、当大学附属病院Aiセンターにて撮影された死亡退院された方、解剖学実習のために献体された方、及び法医解剖関係のご遺体の画像データから上腕骨(最大長、全長)、橈骨(最大長、生理長)、尺骨(最大長、生理長)、大腿骨(最大長、生理長、自然転子長)、脛骨(最大長、全長)、腓骨(最大長)、第一頚椎から第五腰椎の最前部から最後部の最大前後長、第一頚椎から第五腰椎の左右横突起間の最大長、第三頚椎から第五腰椎の椎体最大前後長、及び第一胸椎から第五腰椎の椎体最大左右長を計測した。年齢は20歳代から90歳代、男女比はほぼ50:50であった。手始めに警察依頼法医ご遺体約100件において、左右四肢骨長および身長から身長推定式を作成するためのデータ解析を行った。加えて、新たな身長関連遺伝子多型マーカーの検索、身長および各骨長と各遺伝子多型との相関関係の調査等を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、当大学附属病院入院患者ご遺体約900件、外来患者ご遺体約100件、系統解剖体ご遺体約150件、警察依頼法医ご遺体約100件(合計約1250件)の画像データは集積されている。まずは、これらから各骨長を測定し、身長推定式作成をするための計算ソフトの開発に取り掛かっている。また、身長および各骨長と各遺伝子多型との相関関係も調査中であり、これらを融合させた個人識別の確立を目指す。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き解剖学実習および法医解剖時には、対象者の身長、各四肢骨長、及び各脊椎長を測定し、死亡退院された方については、入院時データを集積していく。大学附属病院から死亡退院された方、解剖学実習用に献体された方、及び法医解剖関係のご遺体の血液からDNAを抽出し、遺伝子多型解析を行う予定である。申請者らが今までに行ってきた遺伝子多型解析を行い、各遺伝子多型およびハプロタイプと身長および各骨長との相関関係の解析を行う。さらに、各死後画像診断所見と遺伝子多型および患者情報との相関の評価基準を確立する予定である。
|
Research Products
(6 results)