2017 Fiscal Year Research-status Report
生体膜スフィンゴ脂質レベルを制御する鍵酵素による動脈硬化抑制の分子機構
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16K15409
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石丸 和宏 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70595446)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 動脈硬化症 / スフィンゴ脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、当該鍵酵素の全身ノックアウトマウスにおいて大動脈展開標本における動脈硬化病変が有意に増大し、この表現系が全身血漿の脂質分画解析やコレステロール取り込み・くみ出し関連蛋白質発現では説明できないことを明らかにした。本年度はその結果に基づき、動脈硬化病変を改善する可能性がある遺伝子改変マウスとの二重交配飼育を継続し、小動物用X線照射装置を用いた病態形成を担う細胞集団の同定と組織サンプルの免疫組織染色法とウェスタンブロット法、ならびに採取細胞を用いた急性遺伝子抑制法(SiRNA)にて、動脈硬化病変内コレステロール含有が増大するメカニズムの解析を中心に行った。その結果、 1.骨髄移植実験の結果より病態形成を担う細胞集団は、骨髄由来細胞である 2.骨髄由来細胞の中でマクロファージが強く関与している可能性が示唆された 3.マクロファージにおけるコレステロール代謝に関与したオートファジー経路が障害されている可能性がある 事が明らかになった。しかし、今年度に計画していた実験項目のうち、採取マクロファージに対する当該遺伝子抑制(siRNA)効率が悪く網羅的な関連遺伝子検索は滞っており、当該遺伝子欠損に伴う動脈硬化病変形成を改善する可能性がある遺伝子改変マウスとの二重交配実験は、これら遺伝子改変マウスで既に報告されている中枢神経系合併症、妊娠継続困難あるいは産仔数が減少する表現系による影響があるため、効率的な二重交配マウス作成が行えなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度の実験計画のうち、採取マクロファージに対する当該遺伝子抑制(siRNA)効率が悪く、網羅的な関連遺伝子検索が行えていないため。 また、過去の報告から当該遺伝子欠損に伴う動脈硬化病変を改善する可能性がある遺伝子改変マウスとの二重交配実験が遅れている。理由として、これら遺伝子改変マウスのうち中枢神経系合併症、妊娠継続困難あるいは産仔数が減少する表現系が報告されており、効率的に二重交配が行えていない可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.病態形成を担うマクロファージにおけるメカニズム解析と、細胞間相互作用の検討 細胞内に脂質を取り込んだマクロファージ(泡沫細胞)がコレステロールを細胞外へくみ出す、すなわち目的細胞・臓器(主に肝臓)へ渡す際の脂質分解経路としてオートファジー経路が注目されている。オートファジー経路の中でどの部分の障害が本研究に関与しているか、プロテオミクス的な手法を用いて解析を進める。目的細胞で急性遺伝子抑制法が確立できない場合は、全身ノックアウトマウスから採取した細胞での解析に切り替える事を検討する。また、好中球やT細胞、B細胞など他の骨髄由来細胞ならびに非骨髄由来細胞(内皮細胞・平滑筋細胞・脂肪細胞)との相互作用の関与を、共培養実験等を用いて明らかにする。 2.当該遺伝子欠損による動脈硬化病変を改善する表現系の探索 動脈硬化病変が改善する可能性がある遺伝子改変マウスとの二重交配実験は今まで通り継続するが、場合によっては受容体阻害薬・鍵酵素関連活性化薬などのインビボ投与も併行して検証する予定とする。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Myotubularin-related protein 4 (MTMR4), a phosphoinositide 3'-phosphatase, regulates endolysosome integrity and autophagy flux in human lung alveolar epithelial A549 cells2018
Author(s)
Pham Quynh Hoa, Yoshioka Kazuaki, Azadul Sarker Kabir, Aung Thuzar Khin, Islam Shahidul, Aki Sho, Ishimaru Kazuhiro, Takuwa Noriko, Takuwa Yoh
Organizer
第95回日本生理学会大会
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