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2017 Fiscal Year Research-status Report

ブタ心房組織に存在する新規循環調節ペプチドの系統的探索

Research Project

Project/Area Number 16K15446
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

北村 和雄  宮崎大学, 医学部, 教授 (50204912)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords生理活性ペプチド / cAMP / アミド化 / アンジオテンシン / バイオマーカー
Outline of Annual Research Achievements

我々は1993年にヒト褐色細胞種組織より、アドレノメデュリン(AM)を強力な降圧作用を有する新規生理活性ペプチドとして発見した。さらに、AM前駆体よりPAMPが降圧作用を有する新たな生理活性ペプチドとして生合成されることを明らかにした。AMとPAMPはヒト副腎髄質由来の褐色細胞腫より発見されたものであるが、現在AMとPAMPが重要な生理活性ペプチドとして生体内調節や各種病態で重要な役割を果たしていることが明らかにされてきた。また、最近ではAngⅡのN末を認識するRIAを用いて、ヒト尿中よりビッグアンジオテンシン-25を内在性のペプチドとして発見し、レニンアンジオテンシン系の研究分野で大きな反響を得ている。このように未知の生理活性ペプチドを単離し、構造を明らかにする研究は医学・循環器病学の発展のために極めて重要である。本研究の目的は、我々が独自に開発した次の3つの検索法を駆使して、ブタ心房のペプチド分画より生理活性ペプチドの系統的かつ網羅的検索を行い、AM や心房性ナトリウム利尿ペプチドに続く新たな内在性の循環調節ペプチド発見をめざして研究を推進している。(1)ラット血小板のcAMP 増加作用を有するペプチドの検索。ラット血小板のcAMP増加を指標にしたアッセイ法を用い、新規生理活性ペプチドの探索を進めており、いくつかのペプチドを精製し構造解析を決定した。(2)C末端アミド構造を有したペプチドの系統的検索。心房には高濃度のアミド化酵素が含まれていることから、C末のアミド化された未知の生理活性ペプチドが存在すると考えられるので、我々が独自に考案した方法でペプチドの系統的検索をすすめている。(3)アンジオテンシン関連ペプチドの系統的検索。AngⅡのN末に特異的なRIAを用いて、ブタ心房ペプチド分画より新たなアンジオテンシン関連ペプチドを単離し、現在構造解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ブタ心房のペプチド分画の調製:微量な生理活性ペプチドの単離・構造決定にはある程度の量が必要なため、1㎏のブタ心房組織を目標にペプチド分画を調製した。ペプチドの抽出法は、中性条件で煮沸後に抽出することでブタ心房組織中のペプチドを存在するままの分子型で取り出し、かつ安定化させることができる。脱塩・除蛋白後のペプチド分画をSP-Sephadexを用いて、弱塩基性ペプチド分画(SP-II)と強塩基性ペプチド分画(SP-III)に分け、平成29年度は主にSP-II分画を次の3通りの方法で生理活性ペプチドの系統的検索を推進した。(1)血小板のcAMP増加作用を有するペプチドの検索:ラット血小板を用い、ブタ心房組織のペプチド分画におけるcAMP増加活性を指標に系統的に精製し、構造解析を行った。数種類のペプチドの単離を行い構造を決定した。しかし、既知のものであり新規ペプチドは発見できなかった。(2)C末端アミド構造を有したペプチドの系統的検索:現在までに発見されている生理活性ペプチドの半数以上のC末端がアミド化されている。V8 プロテアーゼ(Asp)とGluのC末側を特異的に切断)でペプチドを限定分解すると、C末端にアミド構造を含むペプチド以外は、すべてカルボキシル基を有するペプチドになることを利用し、C末端がアミド化されたペプチドのみを選択的に単離できる方法を確立した。この方法を用いて、ブタ心房組織の弱塩基性ペプチド分画(SP-II)における系統的に精製し、構造解析を行った。(3)アンジオテンシン関連ペプチドの系統的検索:AngⅡのN末に特異的なRIAでブタ心房ペプチド分画より単離し、質量分析装置とプロテインシークエンサーにて精製したペプチドのアミノ酸配列の決定を進めている。すでに数種類の新規化合物を精製しており、糖鎖部分の構造も含めて解析を進めている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、昨年度までの研究を継続するとともに、研究目的を達成するために以下に示すように研究もすすめていく。
(1) 血小板のcAMP増加作用を有するペプチドの検索:平成29年度と同様な方法で探索を進めるが、平成30年度以降は平成29年度に検索を行っていないSPIIおよびSPIII分画の低分子分画の検索も行う。
(2) C末端アミド構造を有したペプチドの系統的検索:平成29年度と同様に探索を進めていくが、平成30年度には成29年度に検索を行っていないSPIIおよびSPIII分画の低分子分画の検索も行う。
(3) アンジオテンシン関連ペプチドの系統的検索:平成29年度と同様な方法で探索を進めるが、平成30年度以降は平成29年度に検索を行っていない、SPIIおよびSPIII分画の低分子分画の検索も行う。

(1)~(3)の探索を行うことで、新規生理活性ペプチドを発見できた後は、抗体の作成や測定系の確立、生体内分布の検討、前駆体の解析や生合成機構の研究、および合成ペプチドによる生物学的作用の検討を行う。

  • Research Products

    (6 results)

All 2019 2017

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Adrenomedullin: Continuing to explore cardioprotection2019

    • Author(s)
      Tsuruda Toshihiro、Kato Johji、Kuwasako Kenji、Kitamura Kazuo
    • Journal Title

      Peptides

      Volume: 111 Pages: 47~54

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.peptides.2018.03.012

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Anti-Inflammatory Effects of PEGylated Human Adrenomedullin in a Mouse DSS-Induced Colitis Model.2017

    • Author(s)
      Nagata S, Yamasaki M, Kitamura K.
    • Journal Title

      Drug development research.

      Volume: 78 Pages: 129-134

    • DOI

      10.1002/ddr.21383.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] β-arrestins negatively control human adrenomedullin type 1-receptor internalization.2017

    • Author(s)
      Kuwasako K, Kitamura K, Nagata S, Sekiguchi T, Jiang D, Murakami M, Hattori Y, Kato J.
    • Journal Title

      Biochem Biophys Res Commun.

      Volume: 487 Pages: 438-443

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2017.04.083.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The translational research of adrenomedullin: Adrenomedullin as a potential therapeutic agent for ulcerative colitis2017

    • Author(s)
      Kitamura K
    • Organizer
      The 2nd International Conference on Internal Medicine & Hospital Medicine
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 持続性アドレノメデュリン誘導体の創製2017

    • Author(s)
      永田さやか, 山﨑基生, 北村和雄
    • Organizer
      第21回日本心血管内分泌代謝学会学術総会
  • [Presentation] 炎症性腸疾患におけるアドレノメデュリン療法の開発2017

    • Author(s)
      芦塚伸也
    • Organizer
      第18回宮崎IBD講演会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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