2016 Fiscal Year Research-status Report
マイクロデバイスを利用した革新的培養系 kidney on chip の作成
Project/Area Number |
16K15464
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90311620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 輝夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30251474)
稲城 玲子 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50232509)
田中 哲洋 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90508079)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロデバイス / organ on chip / 医工連携 / podocyte / 尿細管 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓病の病態解明と治療法開発が進まないのは、適切な培養系が欠如し臓器における in vivo の病態が再現できないためである。本研究では、マイクロデバイスを利用し、従来の培養系に欠如していた濾過流および原尿の尿流による物理的刺激を取り入れ、生体内の環境を正確に反映した腎臓の細胞の革新的培養系 kidney-on-chip を構築している。紫外線硬化性樹脂などを流路パターン状に直接描画し、紫外線を照射して硬化させた鋳型を用いてポリジメチルシロキサン性のマイクロデバイスに細胞外基質でコートした多孔質膜を組み合わせてコンパートメント構造を構築し、そこに細胞を培養する高次 podocyte 培養系および尿細管細胞培養系の条件検討を行っている。物理的刺激としては、基底膜側のチャネルに接続したチューブから培養液を注入し、濾過流による圧負荷をかけている。圧負荷をかけた場合に培養細胞が多孔質膜から剥離しないよう、物理的刺激のかけ方(定流、定圧など)、多孔質膜の種類、コートする細胞外基質の種類、培養細胞の種類および培養条件などを検討し、培養系の最適化に努めている。更に、刺激をかけた場合の細胞の反応をみるためのスクリーニング系の確立のために、マイクロデバイスで培養した培養細胞の固定方法の検討や免疫蛍光染色や電子顕微鏡による観察の予備検討を行っている。 本研究の成果は非常に注目されており、本年4月14日に行われる第114回日本内科学会総会においてシンポジウム~医工学連携による内科学の発展~が企画され、最初の演者として分担研究者の藤井が本研究班を代表して「Organ-on-a-Chip:マイクロ流体アプローチが招く新展開」の招待講演を行うこととなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予想していたよりも、マイクロデバイスに培養した細胞が簡単に剥離するため、培養条件の最適化に時間がかかっているが、物理的刺激のかけ方、多孔質膜の種類、コートする細胞外基質の種類、培養細胞の種類および培養条件などを検討することで、徐々に適切な培養が可能となってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
更に培養条件を最適化し、確立した条件において刺激を加え、並行して準備していたスクリーニング系により物理的刺激の podocyte および尿細管細胞に対する影響を確認し、kidney-on-chip の確立を進める。
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