2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of molecular basis of type 1 diabetes using novel technologies
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16K15491
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
深見 真紀 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 部長 (40265872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾部 匡之 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 研究員 (80566555)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子 / 疾患感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、最新の遺伝学的解析手法を用いたアプローチによって1型糖尿病の新規発症機序を解明することである。平成28-29年度には、抗体陰性1型糖尿病患者89例の網羅的シークエンス解析によって、既知遺伝子変異の寄与の程度を明らかにした。また、PTPN2ヘテロ接合性機能喪失変異が1A型糖尿病の新規感受性因子であることを明らかとした。 本年度におけるとくに重要な成果は、(1)小児発症糖尿病と妊娠糖尿病に関与するRFX6ヘテロ接合性バリアントの同定、および(2)小児期発症1b型糖尿病を招くKLF11 (MODY7) 遺伝子バリアントの同定である。いずれも日本人患者家系を対象とした次世代シークエンサーによる網羅的変異スクリーニングとバイオインフォマティックス解析が疾患原因の解明に有用であった。(1)では、RFX6半量不全が合併奇形を伴わない自己抗体陰性糖尿病を招くことが見いだされた。さらに同一家系内においても異なる糖尿病の病態を招くこと、その表現型に思春期前発症糖尿病と妊娠糖尿病が含まれることが明らかとなった。(2)では、優性阻害効果を有するKFL11バリアントが、不完全な浸透率を示す小児期発症糖尿病の原因であることが見いだされた。これは、KLF11変異体タンパクが野生型タンパクとコファクターとの結合において競合すると仮定することによって説明可能である。 これらの研究によって、小児期発症糖尿病を招く新たな遺伝学的異常が見いだされた。
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Research Products
(4 results)