2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis and clinical application of secreted long noncoding RNAs derived from extracellular vesicles that modulate cancer microenvironment
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16K15496
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
堀江 公仁子 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90261982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 賢一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50508075)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エクソソーム / 非コードRNA / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞からのexosome由来分泌型因子として、がん免疫関連分子EBAG9による前立腺がんモデルの病態進行メカニズムを明らかにした。前立腺がん発症モデルのTRAMPマウスとEbag9欠損マウスとの交配により、前立腺がんの発症抑制が観察された。次にヒト前立腺がん細胞におけるEBAG9遺伝子の発現抑制により、上皮間葉移行(EMT)関連遺伝子の発現が抑制され、がん細胞の移動能も低下した。EBAG9結合分子のうち膜貫通因子TM9SF1に着目し、がん細胞のTM9SF1の発現を抑制するとEMT関連遺伝子の発現が抑制され、細胞移動能も低下しTM9SF1と協調して働くEBAG9の作用が明らかになった。がん由来exosomeのがん微小環境に対する作用として、EBAG9強発現前立腺がん細胞由来のexosomeを取り込ませたTリンパ球系で細胞障害性の低下が認められた。EBAG9強発現exosomeによるTリンパ球の細胞障害性低下は、EBAG9中和抗体によって解除されることから、exosome由来のEBAG9によるがん微小環境への作用が示された。また、数種類のヒト子宮内膜がん細胞における低分子RNAシーケンス解析から、発現レベルが高く、臨床子宮内膜がん組織において発現量が高いmiRNAを抽出した。その中で、特にアンチmiRNA核酸製剤によって子宮内膜がん細胞の増殖が抑制されるmiRNAに注目した。数種類のアルゴリズムを用いたin silico 解析により、子宮内膜がん細胞における高発現性で注目したmiRNAに対する候補標的遺伝子を絞り込んだ。この候補miRNA標的遺伝子はエピゲノム制御に関わる因子であることから、注目したmiRNAおよびその標的遺伝子の発現調節により、子宮内膜がんにおけるエピゲノム制御がどのように変化し、それによってがん細胞の病態がどのように変化するかについて解析を進めている。
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