2017 Fiscal Year Annual Research Report
Crosstalk between epigenetic therapy and anti-tumor immunity in the treatment of hematopoietic neoplasms
Project/Area Number |
16K15499
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
合山 進 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80431849)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | エピジェネティクス / 腫瘍免疫 / 急性骨髄性白血病 / 骨髄異形成症候群 / p53 / DNAメチル化阻害剤 / ヒストン脱アセチル化阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しいがんの治療法として「エピジェネティック治療」と「腫瘍免疫療法」が期待されている。エピジェネティック治療としては、DNAメチル化阻害剤やヒストン脱アセチル化阻害剤が一部の造血器腫瘍に有効であることが判明した。また腫瘍免疫療法としては、抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体などの免疫チェックポイント阻害剤や、キメラ抗原受容体を用いた遺伝子改変T細胞療法などの効果が臨床的に証明された。しかしながら、これらの治療法が効果を発揮するメカニズムについては不明な点が多く、その解明は今後の大きな課題である。 今回我々は、白血病遺伝子MLL-AF9を導入したマウス骨髄細胞をレシピエントマウスに移植して急性骨髄性白血病の発症を誘導するモデルを用いて、DNAメチル化阻害剤デシタビンが白血病発症を抑制すること、そしてデシタビンの抗白血病作用にはレシピエントマウスの免疫能が重要であることを見出した。また同様の実験系を用いて、MLL-AF9白血病に対するp53活性化薬の治療効果発現にも腫瘍免疫が重要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、変異型ASXL1及びSETBP1を導入したマウス骨髄細胞をレシピエントマウスに移植して骨髄異形成症候群の発症を誘導するモデルを用いて、ヒストン脱アセチル化阻害剤ボリノスタットが骨髄異形成症候群に対する有効な治療となり得ることを見出した。これらの成果は、エピジェネティクス標的薬、腫瘍免疫活性化薬、そして分子標的薬を組み合わせた新しい造血器腫瘍治療法を開発するための基盤となるものと考えられる。
|
Research Products
(5 results)