2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional screening of glycan-related molecules in feedback regulation of hematopoietic stem cells
Project/Area Number |
16K15505
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
西原 祥子 創価大学, 理工学部, 教授 (00164575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 造血器官 / ショウジョウバエ / 糖鎖関連遺伝子 / 成熟血球細胞 / 造血幹細胞 / フィードバック機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織を持続的に機能的たらしめるには、組織細胞の種類や数が厳密に制御され続ける必要がある。従って、組織幹細胞は、分化した組織細胞からのフィードバックにより、未分化性維持や分化促進などの制御を受けると予想される。しかし、その分子機構はほとんど明らかにされていない。近年、造血幹細胞の維持、血球分化で働くシグナル伝達経路が、脊椎動物とショウジョウバエの間で高度に保存されていることが示された。タンパク質の半数以上が糖鎖修飾を受けており、糖鎖はこれらの局在や分泌、構造、活性に重要な役割を果している。そこで、本研究では、造血幹細胞へのフィードバック制御に重要な糖鎖関連分子の網羅的探索を、ショウジョウバエ成熟血球細胞で行った。 ショウジョウバエ三齢幼虫の造血器官はリンフグランドと呼ばれ、造血幹細胞ニッチ、造血幹細胞、成熟血球細胞からなる。成熟血球細胞には、クリスタルセルとマクロファージ様のプラズマトサイトがある。フィードバック制御への糖鎖の関与を検索するため、Gal4/UAS システムを用いて、これらの成熟血球細胞特異的に、糖鎖関連遺伝子を網羅的にノックダウンした。造血幹細胞をラベルし、その増減を観察した。 網羅的検索の結果、N-結合型糖鎖を合成する糖転移酵素をノックダウンしても、造血幹細胞の体積に有意な変化が認められなかった。一方、O-結合型糖鎖を合成する糖転移酵素をノックダウンすると造血幹細胞の体積は減少する傾向にあった。
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