2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and characterization of biological targets of chemical expander for hematopoietic stem cells
Project/Area Number |
16K15507
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
田久保 圭誉 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 生体恒常性プロジェクト長 (50502788)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / 幹細胞増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞は生後産生される全ての血液細胞を作り出す細胞で、造血幹細胞移植に利用されて悪性造血器腫瘍等の治療に用いられる。現状では骨髄ドナーが限られていることから、試験管内で造血幹細胞を増幅する技術が骨髄移植に貢献する基盤的技術となると期待されている。近年いくつかの造血幹細胞増幅剤が報告されたが、その標的分子は未だ明らかになっていない。本研究は造血幹細胞増幅剤が標的とする分子(群)を同定し、それらの造血幹細胞制御における機能の同定を目指すものである。昨年度までにケミカルバイオロジー的手法で得られた、造血幹細胞増幅剤が標的としている分子の候補について機能的な検討を実施した。当該分子をコードする遺伝子を標的としたshRNAを設計し、それを搭載したベクターを作製した。このベクターを利用して、生体内より単離した造血幹細胞に対して、ノックダウン実験を実施した造血幹細胞を用いて造血幹細胞増幅剤処理の効果の検討を行った。遺伝子発現定量実験から、このベクターによって標的分子の発現が造血幹細胞レベルで著減していることが見出された。そして、当該分子がノックダウンされた造血幹細胞をフローサイトメーターで分取したうえで造血幹細胞増幅剤を添加したうえで培養を継続したところ、増幅効果が減少していることを見出した。興味深いことに、当該分子のノックダウンのみでも造血幹細胞の体外維持が困難になっていたことから、造血幹細胞が標的とする分子は実際に幹細胞機能を定常時でも制御している分子であることが示唆された。
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