2016 Fiscal Year Research-status Report
IgE→IgAクラススイッチ誘導によるアレルギー疾患治療法の開発
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16K15509
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgE / IgA / クラススイッチ / 喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
アトピー型喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患の罹患率は30%を越え、今や国民病ともいえる状態にある。自然緩解することは稀であり、治療継続による経済的損失は大きく、学習障害、睡眠障害、労働生産性の低下等、社会的損失も計り知れない。多くの研究が行われているが未だアレルギー疾患の根本的治療法は確立されておらず、新規治療戦略の開発が急務である。抗原特異的IgEが病態に深く関与することは、抗IgE抗体(オマリズマブ)の有効性より明らかであるが、オマリズマブは高価であり、費用対効果に問題がある。そこで本申請研究では、IgE産生細胞、或いはIgE産生細胞へと分化するIgG1産生細胞をIgA産生細胞にクラススイッチ誘導する方法を開発し、アレルギー疾患の新規治療戦略開発の基盤を構築することを目的とした。 平成28年度は喘息モデルマウスの炎症局所におけるIgE産生細胞及びIgA産生細胞のクラススイッチ誘導の起源を解析し、IgA産生細胞の誘導条件の至適化、及びその分子メカニズムの解明を目指した。しかし、通常の卵白アルブミンの腹腔内感作―経気道チャレンジの実験系においては、気道から十分な数のIgE産生細胞、及びIgA産生細胞を得ることができなかった。そのため、卵白アルブミン特異的なTCRトランスジェニックマウスの細胞を移入する系にてその克服を目指したが、この系においても遺伝子発現を網羅的に行うのに十分な細胞を単離することは困難であった。そこで現在、入手したIgEレポーターマウスのコロニーを拡大し、レポーター発現によりIgE産生細胞を単離するシステムを立ち上げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoから十分な数のIgE産生細胞を得ることには未だ成功していないが、既に新たな実験系の立ち上げを行っており、この点に関しては、想定内の進捗状況である。一方、in vitroのIgE産生の実験系に関しては既に至適条件を見出しており、解析が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
IgEレポーターマウスなど、トラブルを乗り越えるためのツールは既に入手しており、この方向で研究を推進する予定である。さらなる問題が発生する可能性もあるが、柔軟に対応し、問題を克服したい。
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Causes of Carryover |
本年度の研究においてIgE産生細胞からRNA シーケンス, CHIP シーケンス等、網羅的解析を行う予定であったが、解析を行うに十分な細胞数が得られなかったため、その解析を次年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度の予算に計上していたIgE産生細胞からRNA シーケンス, CHIP シーケンス等、網羅的解析を行う予定のため
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[Journal Article] Prevalence and responsiveness to treatment of lung abnormalities on chest computed tomography in patients with microscopic polyangiitis: A multicenter, longitudinal, retrospective study of one hundred fifty consecutive hospital-based Japanese patients.2016
Author(s)
Yamagata M, Ikeda K, Tsushima K, Iesato K, Abe M, Ito T, Kashiwakuma D, Kagami S, Iwamoto I, Nakagomi D, Sugiyama T, Maruyama Y, Furuta S, Jayne D, Uno T, Tatsumi K, Nakajima H
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Journal Title
Arthritis Rheumatol
Volume: 68
Pages: 713-23
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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