2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of cellular immunity on dengue infected HLA transgenic mouse
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16K15519
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
水上 修作 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00508971)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デング熱 / 細胞性免疫 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
デング熱は、世界中で未だ拡大を続けており、我が国でも近年国内感染が確認された熱性疾患である。重症化頻度は低いものの、ショックなど重篤な状況に陥り死に至ることもある。現時点で十分な有効性を持つワクチンは存在せず、最も有望と考えられていたDengvaxiaにも重篤な副作用が報告され、その開発は急を要している。ワクチン開発はこれまで、抗体などの液性免疫誘導を念頭に置いたものがほとんどであったが、血中抗体価と臨床像が比例しないことは既に報告されている。 他方、液性免疫と対をなす細胞性免疫については、特異的な細胞傷害性細胞T細胞(CTL)が重症化を防ぐとの結果もマウスにて示されており、その重要性が示唆されるが、実際にCTLがヒトにおいて感染・重症化予防にどのように働いているかは明らかではない。 代表者らは、デング熱における細胞性免疫の関与を解析するための(1)培養実験モデル、(2)(一部ヒト化した)マウスを用いた動物実験モデル構築を試みた。(1)については、iPS細胞由来樹状細胞とヒト末梢血由来のT細胞を用いて、デングウイルス特異的なT細胞活性化を誘導するモデルを構築し、学術誌に報告した。(2)動物モデル構築にあたっては、I型インターフェロン(Type I IFN)を排除しないとマウスにはデングウイルス熱が感染しないという問題が存在していた。当初、代表者らは、抗体投与でType I IFN除去を行う予定であったが、学会などでの議論において、骨髄キメラや遺伝子ノックダウンなどより適した方法に関する情報を得た。結果、CRISPR-Cas9法を用いたゲノム編集の手法を選択し、現在、培養細胞を用いた条件検討を行っている最中である。 本研究期間内に当初目標を完了は出来なかったが、今後、マウスでの実験に移行する予定である。
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