2017 Fiscal Year Annual Research Report
Proteomic analysis of urinary exosome of pediatric kidney diseases
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16K15523
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張田 豊 東京大学, 医科学研究所, 講師 (10451866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 祥一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60632651)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 尿エクソソーム / エクソソーム / ネフロン癆 / 先天性腎尿路異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性腎尿路奇形や若年性ネフロン癆の早期診断マーカーは現在存在しない。これらの患者は検尿のみでは見逃され、末期腎不全の状態で発見される例も多い。尿中バイオマーカーの探索を目的とした研究は、これまでに数多く行われてきたにもかかわらず、先天性腎尿路異常(CAKUT)や ネフロン癆の早期発見につながるマーカーは開発されていない。その原因はこれらの疾患では血尿蛋白尿を生じず、また希釈尿となることが多いため尿そのものの解析では尿中に極微量含まれる疾患特異的マーカー候補の検出が困難だったからである。また海外においては本邦のような三歳児検尿や学校検尿システムが存在せず、小児腎疾患の早期発見を目指した社会的体制の確立が困難であることも原因である。 近年、産生元細胞の分子的特徴が複製された微小分泌小胞「エクソソーム」が尿にも豊富に含まれることが報告された。本研究では、腎病変組織由来エクソソームを尿中より単離し、網羅的なプロテオーム解析から各種腎疾患特異的タンパク質を同定することによって、早期発見が難しい小児腎疾患の新規診断法の開発を目指した。 早期診断マーカーの同定を目的として、協力医療機関での倫理審査の承諾を得て(1)先天性腎尿路奇形患者(低形成 腎、水腎水尿管症、膀胱尿管逆流症)、(2)ネフロン癆患者のサンプル合わせて44検体と(3)正常コントロールサンプルを目標数収集し得た。 エクソソーム分画の精製に用いる超遠心機の故障のため一部のサンプルのエクソソーム精製が遅れ、最終的には超遠心機を用いない新たな手法で尿よりエクソソーム分画を精製することとなり、その手法の確立に想定以上に時間を要した。以前の方法で精製したサンプルとの比較ができないため、新たに全サンプルで精製を行うこととなった。新たに精製した尿エクソソーム分画の質量解析により最終的なバイオマーカーの探索を行うまでに至った。
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