2017 Fiscal Year Annual Research Report
Manipulation of pathogenic memory T cells for development of novel treatment for food allergy
Project/Area Number |
16K15524
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
前川 洋一 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10294670)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 免疫記憶 / メモリーCD4 T細胞 / 抗体による除去に抵抗性 / Notchシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、アレルゲン感作マウスに対してNotchシグナルを阻害することでアレルギー症状の発症抑制や軽減を誘導できることを見出した。私たちは以前に、メモリーCD4 T細胞の生体内維持にはT細胞でのNotchシグナルが必須であることを見出している。このことはNotchシグナルが不全になったメモリーCD4 T細胞はもはや生体内では長期間生存できないことを意味している。本研究においても、アレルゲン特異的メモリーCD4 T細胞がNotchシグナル阻害剤投与により生体内から消退していることが十分予想されたが、同細胞の消失そのものを確認するには至らなかった。この点を検証するには、アレルゲン特異的メモリーCD4 T細胞を特異的に検出する精緻な実験系の確立が必要である。 食物アレルギーに関与するIgEは、アレルギー再発時には抗IgG陽性メモリーB細胞からクラス変換によりIgE産生形質細胞が分化する。クラス変換と形質細胞への分化には抗原特異的病原性メモリーCD T細胞が必要である。CD4 T細胞の関与を確定するため、感作1ヶ月後に抗CD4抗体投与しその後アレルゲンを投与したが、この群は対照群と同等以上に発症した。その後、CD4T細胞除去が不完全でCD4T細胞が残存していることがわかった。しかし、残存しているCD4T細胞は全てメモリー様細胞であり未感作CD4 T細胞は存在していなかった。私たちは抗体による除去に抵抗性のメモリー様CD4T細胞がアレルギーの発症と強く連関する病原性メモリーCD4T細胞ではないかと想定した。今後、抗体による除去に抵抗性のCD4 T細胞についてRNA-seq解析を行い遺伝子発現シグネチャーを得たのち、メモリーCD4 T細胞母集団を用いて1細胞解析を行い、抗体除去抵抗性メモリーCD4 T細胞の性状やユニークさを解明する必要があると考えている。
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Research Products
(5 results)