2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic and biochemical analyses of mTOR related megalencephaly
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16K15530
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
齋藤 伸治 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00281824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 真 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40217774)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 巨脳症 / mTOR / 次世代シーケンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
巨脳症患者28例を集積し、27例に15遺伝子を搭載した遺伝子パネルを用いてIon PGMによる次世代シーケンス解析を行った。1例は直接全エキソーム解析を行った。その結果、13例に原因となる遺伝子変異を同定した(PTEN 6例、AKT3 3例、PIK3R2 3例、PIK3CA 1例)。変異陽性例のうち7例に株化リンパ芽球を用いてリン酸化S6蛋白のウエスタンブロットを行った。その結果、7例全例でmTOR経路の活性を示すリン酸化S6蛋白の発現増加を認めた。変異陰性例8例にもリン酸化S6蛋白のウエスタンブロットを行い、1例に発現増加を認め、mTOR経路の機能亢進を確認した。変異陽性例の内1例は白血球では変異が同定されなかったが、罹患組織である脳組織(手術検体)においてモザイク変異を同定した。さらに、変異陰性かつリン酸化S6蛋白の発現増加を認めた患者1例に対して、全エキソーム解析を実施した。その結果SHOC2に病因変異を同定した。SHOC2はヌーナン症候群の原因遺伝子であり、Ras-MAPK系の機能亢進を引き起こす。ヌーナン症候群は比較的大頭を示すため、一部巨脳症患者と症状がオーバーラップする。また、Ras-MAPK系とmTOR経路とは相互作用が知られており、mTOR経路の亢進の原因の一つとしてRas-MAPKの機能亢進が存在することが示されたと考えている。このように、私たちが開発した遺伝子パネル解析と生化学的解析の組み合わせは、巨脳症患者の診断と病態解明に有用であることが明らかになった。mTOR経路には阻害剤が存在するため、私たちの開発した診断法はmTOR阻害剤の適応となる患者を抽出するために重要な役割を有すると考える。
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Research Products
(4 results)