2017 Fiscal Year Research-status Report
肝不全モデルに対するヒトES細胞製剤を用いた胎児治療戦略の創生
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16K15538
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
大石 芳江 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 医療機器開発室, その他 (90648130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 再生医療センター, 副所長/再生医療センター長 (70213486)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 先天異常学 / 細胞移植 / 先天性代謝異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、先天性高アンモニア血症患者に対する細胞治療としてのヒト多能性幹細胞由来肝細胞様細胞の作製とその有効性の評価を目的とするものである。重篤な高アンモニア血症患者へは肝移植が有用だが、ドナー不足等の問題が多いため、移植までの代替細胞としてヒト多能性幹細胞由来肝細胞様細胞の開発が望まれている。臨床応用へ向けての最適な肝細胞分化誘導系の確立と、その有用性の探索などの前臨床試験の基盤技術を整備した。また肝細胞の凍結保存技術は未だ確立されておらず、細胞保存による肝細胞としての機能低下が問題視されていることから、分化誘導肝細胞の移植までの保存法についても技術開発を行った。さらに、肝臓の発生に重要であると報告されている遺伝子をアデノウイルスベクターを用いてヒトiPS細胞から分化誘導した内胚葉系細胞に導入することにより、alpha-fetoprotein(AFP)陽性の肝幹細胞の分化が促進されることを確認した。また、この肝幹細胞が薬物代謝活性および薬剤応答性を有する肝細胞へと分化可能であるという結果も得られた。既に開発済みの分化誘導技術に加え、三次元培養技術を駆使してヒトES細胞→内胚葉系細胞→肝幹細胞→成熟肝細胞の分化過程における遺伝子発現変化(メッセンジャーRNAあるいはマイクロRNA等のnon-coding RNA)を網羅的に解析した。さらに、得られた候補遺伝子をウイルスベクターを用いて細胞に導入し、実際に成熟肝細胞分化を促進する事が可能な遺伝子について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未分化細胞から肝細胞への分化誘導を制御する基盤技術の開発や、成熟肝細胞分化を促進する遺伝子発現えしぎょ技術の開発などの研究は、概ね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、ヒトES細胞から肝細胞への分化誘導を制御する基盤技術の開発を行う。
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