2016 Fiscal Year Research-status Report
CRISPR技術を用いたモザイク病変を有する遺伝性皮膚疾患モデルマウスの作製
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16K15540
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新熊 悟 北海道大学, 大学病院, 助教 (00613788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 輝希 北海道大学, 医学研究科, 特任助教 (50755973)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CRISPR/Cas9 / モザイク病変 / モデルマウス / 遺伝性皮膚疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、モザイク病変を有する遺伝性皮膚疾患モデルマウスを開発することである。表皮水疱症や道化師様魚鱗癬のような重症型遺伝性皮膚疾患モデルマウスの多くは致死性であり、治療研究モデルとして用途が限定される。本研究では、Cas9 nucleaseトランスジェニックマウスに対し、胎生期および新生仔期に経皮的に任意の遺伝子編集を行うことにより、長期生存可能なモザイク状モデルマウスを作製する。本研究の特色は、胎生期および新生仔期に遺伝子編集を行うことにより、blaschko line状やspot状にモザイク病変を有する多彩なモデルマウスを作製できることである。本手法は任意の遺伝子を編集できるため、あらゆる遺伝性皮膚疾患や皮膚癌のモデルマウスの作製に用いることが可能であり、様々な疾患で応用できる。 Col17a1、Col7a1、Abca12、Xpa遺伝子を対象としたモデルマウスの研究を行っている。現在、Col17a1遺伝子やITGB1遺伝子に対する遺伝子編集に成功しており、今後マウスにこのCRISPRを投与し、以下の研究を行っていく予定である。 ①Creリコンビナーゼ依存性Cas9 nuclease-GFP Tgマウスに対し、アデノ随伴ウィルスベクターを用いて胎生期および新生仔期に経皮的にCreとguide RNAを遺伝子導入し、line typeとspot typeの遺伝性皮膚疾患モザイクモデルマウスを作製し、解析する。 ②ルミノメーターを用いて、遺伝子編集を行ったGFP陽性細胞の動態を追跡し、生体内外における変異細胞と正常細胞間での細胞競合について解析する。 ③Col7a1およびXpa遺伝子に対し遺伝子編集を行ったモザイクマウスに紫外線を照射し、病理組織学的に皮膚癌の発生の有無を確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、CRISPR/Cas9の作製に成功しており、おおむね研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、CRISPRを新生仔マウスの皮膚に投与し、spot状の遺伝子変異を有するモザイク状モデルマウスを作製、病理組織、免疫組織学的に評価を行う。 また、胎生期マウス皮膚に遺伝子導入を行うため、胎生5日頃以降に子宮内の羊水中もしくは胎仔皮膚にCRISPRを投与し、line状のモザイクモデルマウスを作製し、同様に病理組織、免疫組織学的に評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
マウスの研究が予定よりやや遅れており、物品費が予定より少額になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウス研究が始まる2017年度は2016年度分を合わせ、予定通り研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)