2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of Mitochondria in keratinization
Project/Area Number |
16K15545
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 理一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60344511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 裕 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70397107)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 角化 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常表皮(基底層~顆粒層)におけるミトコンドリアの形態および機能の変化を解明する。さらに表皮融解性魚鱗癬(keratin1,10遺伝子変異)患者の皮膚、および培養細胞を用いて、ミトコンドリアの形態および機能異常を明らかにする。さらに表皮特異的MfnまたはDrp1のノックアウトマウスを作製し、角化の現象の変化をみる。さらにMfn1とkeratin1,10を結びつけるタンパクの検索を行う。最終的にミトコンドリアの角化への関与を明らかにする。 ミトコンドリアは表皮全層の細胞にほぼ一様に存在していた。電子顕微鏡で基底層、有棘層、顆粒層それぞれにおいて検討おこなったが、その形態の変化はほぼ見られず、また数の変化も見られなかった。 分裂融合にかかわるGTP加水分解酵素において、興味深いことにMfn2は基底層のみに発現がみられ、Mfn1は有棘層のみに発現がみられた。これまでの報告でMfn2はtrichopleinによりkeratin5,14と結合することが報告されており、keratinの発現パターンによりミトコンドリアの融合を担う酵素の発現パターンが変化することが示唆される。さらにはMfnのsubtypeの発現でkeratinの発現パターンが影響される可能性もある。 我々はすでにDrp1、Mfn1、Mfn2それぞれの表皮特異的コンディショナルノックアウトマウスの作製に成功した。 表皮融解性魚鱗癬(keratin 1,10遺伝子変異)患者の皮膚、および培養細胞を用いて、ミトコンドリアの形態および機能を検討した。電子顕微鏡による観察では、核周辺に変性したミトコンドリアが多数見られたことからミトコンドリアの関与が強く示唆される。
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