2016 Fiscal Year Research-status Report
思春期における腸内細菌叢と抑うつ-周産期要因の影響-
Project/Area Number |
16K15566
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
安藤 俊太郎 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (20616784)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 思春期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、一般思春期児童における腸内細菌叢と抑うつ症状を調査し、帝王切開や母乳栄養などの周産期要因が腸内細菌叢を介して思春期児童の抑うつに影響を与えるという仮説を検証することが目的である。平成28年度は3年計画の初年度にあたり、同年度の目標は、調査バッテリを構築して調査手法を確立し、少数名を対象としたプレ調査を行うことであった。 一般思春期児童の糞便検体から腸内細菌叢を同定するための調査として、来所型調査を立ち上げ、一般思春期児童を研究施設に招いて糞便検体を持参してもらう形で、糞便検体を収集した。自宅で思春期児童が簡便に糞便を採取し保管・持参してもらうことを可能にするため、糞便採取キットの選定を行った。また、ヒト糞便検体から正確な腸内細菌叢測定を行える解析業者を選定した。匿名での検体収集を可能にするため、IDシールを利用した調査キットを作成した。思春期児童が自分で検体採取を行えるよう、児童でも理解できるよう検体採取の手順を示した手順書を作成した。また、糞便採取時の児童の状況を調査するため、質問紙を作成した。評価項目には、糞便採取日時、糞便採取日の体温、糞便の性状、便秘の有無、下痢の有無、排便の頻度、使用中の薬剤・サプリメントなどを含めた。また、来所時には自記式質問紙を用いて児童の抑うつ症状等を評価した。 プレ調査として、一般思春期児童を来所型調査にリクルートし、10名の児童から無事に糞便検体を回収した。計画した通りの保管、輸送等の手順を経て専門解析業者に配送し、回収した検体から腸内細菌叢の解析を行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、調査バッテリの構築およびプレ調査の施行を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成28年度に行ったプレ調査を参考に、同様の手順で本調査を行う。計100名程度の思春期児童を来所型調査に招き、糞便検体の回収、腸内細菌叢の解析を進める。
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Causes of Carryover |
腸内細菌叢解析費用が予定よりも高額となった一方、謝金の支出を抑えることができ、結果として差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に行う約100名程度の思春期児童を対象とした来所型調査の本調査における腸内細菌叢解析費用に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)