2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of in vivo drug monitoring precedure using CESt MRI
Project/Area Number |
16K15574
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 博中 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20231128)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRI / CEST / 脳虚血 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、昨年度設定した動物測定指摘条件を用い、まず正常マウスにFlufenamic Acid(FA)を投与し、脳内のFA濃度をマウス生体に投与後、経時的に観測するとともに、血中濃度を経時的に測定し脳内濃度との関連を検証した。FA100mg/kgをマウス大腿静脈から10分間で投与したところ、脳内FA濃度は可及的に上昇し、投与開始15分で最大に達し、その後可及的に減少した。全マウスから計算した脳内半減期は37分であり、血中濃度の半減期は28分であった。このことより、脳内濃度と血中濃度はほぼ並行して推移することが示唆された。次に左中大脳動脈を閉塞することにより、同領域に虚血を作成したマウスに同様のプロトコルにてFAを投与したところ、脳血流が高度に低下した虚血領域におけるFAの移行は健常側の約1/6に減少していた。この結果より、昨年度検証した脳梗塞に対するFAの保護効果が虚血前投与に認められるのに対し、虚血後投与では効果が認められなかった理由の一つとして、脳内へのFA移行が虚血領域ではほとんど認められないことが考えられた。 以上、CEST MRIを用いることにより、FAの脳内濃度の経時的な観察が可能となった。薬剤効果の検証に関しては、虚血24時間後の脳虚血体積の減少効果を基準とし、FAの神経細胞保護効果を薬剤投与時間を虚血前、虚血中、虚血後で検討した。その結果、虚血前投与で認められるFAの神経細胞保護効果が虚血導入後投与では減弱していた。この一因として、虚血組織へのFAの移行がほとんど認められなかったことが挙げられた。FAの経時的な脳内濃度の観測より、脳虚血に用いる薬剤については薬剤の脳内移行とともに、虚血低灌流時の薬剤脳内移行が薬剤効果の重要な要素となる可能性が示唆された。
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