2016 Fiscal Year Research-status Report
膵癌患者の免疫寛容改善を目指したPtch1ペプチドを用いた膵線維化抑制療法の開発
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16K15593
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅史 九州大学, 医学研究院, 教授 (30372741)
中野 賢二 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 教授 (00315061)
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 助教 (20452708)
山崎 章生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Ptch1ペプチド / ヘッジホッグシグナル / 膵癌 / 線維化 / 活性化リンパ球 / TIL / 免疫寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1)alloCTL作成と腫瘍特異的細胞傷害活性の検証、および、2)Ptch1結合ペプチドを用いた膵組織線維化抑制の検証、を行う予定であった。 1)に関しては、膵癌細胞株SUIT-2を用いて、壊死SUIT-2細胞を樹状細胞にパルスして、成熟化後、IL-2で活性化したリンパ球と共培養してalloCTLを作成した。腫瘍をカルセイン染色後に活性化リンパ球と共培養して、腫瘍の蛍光強度を計測するタイムラプス撮影法でalloCTLの標的細胞特異的な細胞傷害活性を確認した。2)に関しては、免疫不全マウスの皮下にASPC-1を移植後、腫瘍が約100mm3に成長後、Ptch1ペプチドおよびコントロールペプチドを局所に投与し、腫瘍径を継続的に計測した。腫瘍径はPtch1ペプチド投与群で低下した。続いて腫瘍切除後に、alpha-SMA染色、マッソン染色、ヘマトキシリンエオジン染色を行い、線維化の程度を評価した。写真で見た限りでは、Ptch1ペプチドにより線維化は抑制されている印象である。染色の強度や割合を数値化して、現在、有意差の検定を行っている。さらに、preliminaryの実験で、活性化リンパ球を担癌マウスに経静脈的に投与する実験も行ったが、腫瘍内に入るリンパ球はいまだ少なく、腫瘍内浸潤リンパ球数(TIL)はPtch1ペプチド治療群とコントロールペプチド群とでは差は認められなかった。リンパ球をうつタイミングやリンパ球の細胞数など、methodologyを現在、再確認しているところである。 今後は、免疫不全マウスを用いて、担癌マウスを作成して、Ptch1ペプチド治療群、コントロールペプチド群に分けて、それぞれ、リンパ球を経静脈的に投与して、線維化の抑制がTILの増加に寄与するかを検証したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Ptch1結合ペプチドにより膵癌線維化が有意に抑制されることが、数値でまだ示せていない。今後早急に、免疫染色スライドを数値化して評価することにより、Ptch1ペプチドと膵癌線維化の関与を検証する。有意に線維化が抑制されていることが示せれば、次に、誘導したallo-CTL投与を行い、リンパ球浸潤(TIL)増加に関与するかを検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫不全マウスを用いて、担癌マウスを作成して、Ptch1ペプチド治療群、コントロールペプチド群に分けて、それぞれ、リンパ球を経静脈的に投与して、線維化の抑制がTILの増加に寄与するかを検証する。
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Causes of Carryover |
マウスの実験を繰り返して行う予定であったが、まだpreliminaryな実験しかできておらず、その分の金額を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、繰り越し分を用いて、繰り返してマウスの実験を行い、膵癌線維化抑制、および、TILの増加の有無を検証していきたい。
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Research Products
(12 results)