2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new therapy for liver cirrhosis using human iPS cells
Project/Area Number |
16K15596
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
村田 聡一郎 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40436275)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 肝臓 / 肝硬変 / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝硬変に対する肝移植に代わる新規治療法の開発が求められている。当研究室ではこれまでにヒトiPS細胞から分化誘導した内胚葉細胞、間葉系細胞、血管内皮細胞の3種類を混合して3次元培養を行うことにより、ヒトiPS細胞由来肝臓原基(肝芽)の開発を行っている。本研究ではヒトiPS細胞由来肝芽を用いた肝線維化モデル動物の治療効果を検討し、ヒトiPS細胞を用いた画期的な肝硬変治療を開発することを目的とする。 昨年度は①肝線維化モデル動物の作製、②胎仔由来肝組織を用いた肝線維化モデル動物の治療法の検討、③ヒトiPS細胞由来肝芽による肝線維化治療効果の予備検討を行った。 今年度はラットの胎齢をED12.5, 14.5, 16.5, 18.5, 出生後の5段階の胎仔肝組織を移植し、治療効果を検討した。各胎齢において胎仔肝組織の生着を確認したが、出生後の肝組織は生着しなかった。ED12.5~ED18.5の4段階の胎齢の胎仔肝組織の移植により肝線維化ラットの生存率が改善した。また、移植によりレシピエント肝臓の線維化が改善したが、最も胎齢の若いED12.5の肝組織が最もレシピエント肝臓の線維化を改善した。生着した胎仔肝組織は移植前の胎齢を反映しており、ED18.5の胎仔肝組織が最も成人肝組織に類似した肝組織像を呈した。 またヒトiPS細胞由来肝芽による肝線維化治療効果の検討を行った。免疫不全肝線維化モデルに対してヒトiPS細胞由来肝芽を移植したところ、ヒトiPS細胞由来肝芽組織の生着とラット血清中のヒトアルブミンを確認した。ヒトiPS細胞由来肝芽の肝表面移植により非移植群と比較して生存率の改善が認められた。生着した組織にはヒト肝細胞様構造に加えて、血管様構造や胆管様構造も認められた。
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