2016 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮、間葉系細胞のシングルセルヘテロジェネイティ解析
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16K15597
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
関根 圭輔 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00323569)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シングルセル解析 / RNAシークエンス / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管構造を構築する血管内皮細胞と支持細胞となる間葉系細胞はどのような立体臓器構築においても必須である。したがって、臓器形成過程の細胞間相互作用と、血管内皮細胞及び間葉系細胞のヘテロジェネイティ、および立体臓器の性能に与える影響を解明することが極めて重要である。ヒトiPS肝芽に用いる細胞材料のシングルセルRNAseqデータを元に、血管内皮細胞及び間葉系細胞の品質評価・安全性指標の確立にむけ、本年度は平面培養した血管内皮細胞、間葉系幹細胞についてシングルセルレベルでの網羅的遺伝子発現解析を実施した。さらにiPS細胞から平面的に分化誘導した肝内胚葉細胞との共培養をした後にシングルセルレベルにばらばらにし、網羅的遺伝子発現解析を実施した。in silicoでのバイオインフォマティックス的解析により、血管内皮細胞、間葉系幹細胞においてiPSC肝芽作製時に発現変化が見られる遺伝子の抽出を実施した。これらの内、iPSC肝芽の機能発現において重要な役割を担う因子を特定するため、阻害剤を用いた解析およびsiRNAを用いた解析を実施し、iPSC肝芽機能に関わると考えられる複数の因子を同定した。今後、由来の異なる血管内皮細胞、間葉系幹細胞等についての網羅的遺伝子発現情報を集積し、アウトプットとしての肝芽機能との相関を解析することによって、血管内皮細胞、間葉系幹細胞等のヘテロジェネイティおよび品質評価のための知見が得られると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管内皮細胞、間葉系幹細胞がiPSC肝芽の機能発現に影響を因子が不明であったことから、まず機能発現に重要な因子をある程度絞り込むことによって、不要な解析を削減することが可能であると考えられた。したがって、機能因子の絞り込みを先行して実施した。本解析によって、iPSC肝芽の機能発現において重要な役割を担う因子を複数抽出することができた。したがって、研究目標に向かっておおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
血管内皮細胞、間葉系幹細胞としてiPS細胞由来の細胞等、解析対象を増やし遺伝子発現解析を実施する。また、これまでの解析から挙がっているマーカーについてddPCR、フローサイトメーター等を用いた解析により、評価マーカーの性能評価を実施する。
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Research Products
(8 results)