2017 Fiscal Year Annual Research Report
Specific kinase analysis and clinicopathological validation in visualized cancer stem cells
Project/Area Number |
16K15609
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水野 裕貴 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (60771376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / 膵癌 / 膵神経内分泌腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、プロテアソーム活性の制御因子として、Mpk1/ERK5の重要性が明らかとなった。膵癌におけるMpk1/ERK5の幹細胞性への影響を調べるために、ERK5阻害薬であるXMD8-92をCSClowに付加したところ、濃度依存性にZsGreen陽性率 が上昇した。膵癌の幹細胞性維持にもMpk1/ERK5が重要な機能を担っている可能性が示され、今後さらに解析を進めている。 また、膵原発の悪性腫瘍として近年膵神内分泌腫瘍(PanNETs)が近年注目されてきている。希少疾患であるPanNETsだが、当院はPanNETsの専門施設として多くの症例が集まっており、豊富な臨床データ、標本をもとに研究が可能である。近年、PanNETsにおける遺伝子Xの重要性を示唆する報告を受け、当院でのPanNETs症例44例について遺伝子Xの免疫組織染色では、12例(27.3%)に発現低下を認め、非機能性腫瘍、Ki-67指標およびWHOグレードの高さと有意に相関していた。PanNETs細胞株に対しCrispr/cas9を用いて遺伝子XのKnock out株を作成したところ、遺伝子X-KOのマイクロアレイおよびChIP解析では、遺伝子Xの転写リプレッサーの直接標的として12の遺伝子が同定された。その中で、遺伝子Yを含む5つの遺伝子の発現は、遺伝子X/H3.3/H3K9me3経路によって抑制された。遺伝子X-KO細胞はSphea形成を活性化し、遺伝子YのKOによってその効果が抑制されることを確認し、異種移植モデルでは遺伝子Yの発現が高い遺伝子X-KO細胞で腫瘍形成能および腫瘍血管密度が有意に上昇することを確認した。これらの結果から、遺伝子Xが癌抑制遺伝子として働き、遺伝子X/ H3.3複合体がPanNETのH3K9me3を促進することによって標的遺伝子を抑制することが示唆された。
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