2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a sensitive detection method for pancreatic cancer patients with serum based on a new concept
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16K15613
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 俊彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (20452352)
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 教授 (10267164)
佐藤 格夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30409205) [Withdrawn]
柚木 知之 京都大学, 医学研究科, 助教 (50639094)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NMR / 膵癌 / 胆管癌 / 肝癌 / 振動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年本邦では高齢化とともに消化器がんが増加しており、その中でも膵臓がん・胆管がんは根治に困難を極めるがんである。しかしこのような最難治がんにおいても、全国がん登録ではリンパ節転移を伴わない早期の膵臓がん・胆管がんの5年生存率は70%にのぼることから、早期診断さえできれば良好な予後が期待できる。従って、膵臓がん・胆管がんの根治のカギは、早期診断を可能とする、簡便かつ精度の高い検査法の開発である。我々は世界に先駆けて、モード解析の概念に基づいたNMR分析による新規血清検査法を開発した。具体的には、血清を多数の原子や分子で構成される超分子的構造物と見なし、水素原子核から得られる核磁気共鳴(NMR)信号(FID信号)を時間周波数解析し、血清固有の動的性質(血清のモード)を決定する。 本年の研究では前年度まで膵癌に行ってきたNMRを用いた血清の動的解析を臨床病態と対比し、単に膵癌があるかないかにとどまらず、切除後の早期再発を予測できるか検討した。具体的には膵癌早期再発群として再発期間全体の中央値2年より早い群を早期再発群、2年よりあとの再発を後期再発群とし、NMRの動的解析をおこなったところ、主成分分析で明確に分別が可能となり、膵癌の存在診断のみならず悪性度も予測できるツールとなり得ることが示唆された。 さらに、検討範囲を肝、胆道癌にひろげ解析をおこなったところ、肝癌と胆管のみならず、肝外胆管がん、肝内胆管がんをも分別することができ、癌腫によってNMRの動的性質が異なることを明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)