2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K15633
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 寄附講座教授 (50420609)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 健一 佐賀大学, 医学部, 寄附講座助教 (40752960)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 組織工学 / 再生医療 / 心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、今までに接着性の細胞の凝集体であるスフェロイドを任意の形態に積層し、3次元の組織構造体を作製する技術として「バイオ3Dプリンタ」を開発した。本装置を用いて、今までに血管、軟骨、肝臓組織の構造体を作製している。本研究では、心筋組織の作製及び最適な培養環境を検討する。 平成28年度はヒト心筋スフェロイドの作製及びヒト心筋構造体の作製、PDMs薄膜形成に取り組んだ。ヒト心筋スフェロイドは、ヒトiPS由来心筋細胞、血管内皮細胞、線維芽細胞を任意の比率で作製することで、培養7日目には、スフェロイド内部で血管網が構築されていると思われる箇所が確認された。 PDMs薄膜は、剣山の針に突き刺すことが困難であった。その為、薄膜からドーム状の心筋構造体の形態を保持できるモールドを作製するように変更した。又、剣山から構造体を回収する時に、直接PDMsモールド上に移せるシステムを構築した。本システムを用いることで、構造体に物理的な負荷を与えることなく、PDMsモールドへ移行することが出来る。 バイオ3Dプリンタを用いてドーム状のヒト心筋構造体を作製した結果、当初、剣山内への培養液や酸素の供給が乏しい為、構造体の心筋スフェロイド間の融合が乏しかった。そこで、剣山内に培養液を供給出来る様なバイオリアクターに変更することで構造体内のスフェロイド間の融合は促進された。1週間培養後、剣山から回収して観察した結果、ドーム状の形態をした心筋構造体を得ることが出来た。しかし、PDMsモールド上で培養を続けた結果、形態を保持することなく培養1日目で縮んでしまった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に遂行する予定のヒト心筋スフェロイドの作製及び、バイオ3Dプリンタを用いたヒト心筋構造体の作製することが出来た。PDMs薄膜に関しては作製することが困難であったが、代替品として半球構造体の構造を保持出来るモールドを作製した。更に同時進行で平成29年度に取り組む構造体を成熟化させる為のバイオリアクターを作製していることからおおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の結果を踏まえて、平成29年度は作製した心筋構造体の評価及び最適な培養環境を検討する。培養環境を検討する為に電気刺激可能なバイオリアクターを開発する。
開発後、様々な電気刺激条件、流速を検討して最適な培養環境を確立する。
|