2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of novel candidate compounds for the treatment of lung squamous cell carcinoma by academic drug discovery
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16K15638
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20379845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40379730)
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Midkine / 分子標的治療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、肺腺癌におけるEGFR遺伝子変異やEML4-ALK fusionに対する分子標的療法が、治療に欠かせないモダリティーとなってきている。その一方で、肺扁平上皮癌に対する有効な分子標的治療法は今だに確立されていない。我々は、癌特異的増殖因子であるMidkineに対する特異的阻害剤:iMDKの開発を行い、当該低分子化合物がPI3Kinase/AKT を阻害し、肺癌に対し抗腫瘍効果を誘導できることを報告した(Fukazawa T et al. PLoS One. 8: e71093. 2013, Exp Cell Res. 335:197-206. 2015)。現在、肺扁平上皮癌の多くでPIK3CA遺伝子変異やPI3Kinaseの活性化がみられることが報告されてきており、今回我々は、新たにiMDKをリード化合物とする誘導体(derivatives)の合成を行いこれらの小分子化合物の抗腫瘍性を検討した。 さらに多種のderivativeの抗腫瘍効果を検討し、肺癌細胞株において、1mM以下でcell viabilityを抑制できるderivatives 2種を見出だした。当該化合物添加後48時間後のウェスタンブロット解析のからリン酸化AKTの抑制が認められ、AKT pathwayの阻害に寄る抗腫瘍効果の誘導が機序として示唆された。特にPIK3CA遺伝子変異を有するヒト肺癌株:HCC95およびH460において顕著な増殖抑制効果が誘導され、これらの化合物の有効性のバイオマーカーとなる可能性がある。さらに当該化合物の投与後のAnexin Ⅴを用いたFlow Cytometry解析から上記細胞株にapoptosisが 観察された。また上記化合物は低濃度において、AKT活性の低値であるヒト正常肺線維芽細胞株:NHLFおよび臍帯静脈内皮細胞:HUVECに対しcell viabilityを抑制しない結果となった。これらのことからiMDK派生化合物から、肺癌に対し低濃度で抗腫瘍効果を示す薬剤が選定され、その細胞死誘導機序にはリン酸化AKTの抑制とapoptosisが関与することが示された。またPIK3CA変異を持つ肺癌は、当該化合物の良い標的となる可能性が示された。
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