2017 Fiscal Year Research-status Report
NK1受容体とGα14は内臓痛治療の新たな標的分子となるのか?
Project/Area Number |
16K15671
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 助教 (00423765)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 内臓痛 / Gタンパク共役受容体 / タキキニン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに共同研究者の研究室で電気生理学実験による本プロジェクトの基盤となる実験データは収集できた.興味深いことに腹腔神経節ニューロンではタキキニン受容体はGα14と共役していることがわかった.同時にGs,Gi,Gq/11とは共役していないこともわかった.とくにGq/11は他の組織ではタキキニン受容体と共役しているとの報告が多く,本研究は腹腔神経節での特性が明らかになる実験結果であった.次にわれわれはsiRNAを腹腔神経節ニューロンに遺伝子導入したうえで,ダブルパルス法によるカルシウムチャネル電流をパッチクランプ記録した.タキキニン受容体刺激で誘発されるカルシウムチャネル電流の電位依存性抑制が減弱することを見出した.さらにわれわれはタキキニン受容体刺激で誘発されるカリウム電流(M-current)の抑制とGα14の共役について観察した.siRNAによるGα14のノックダウンを行うと,タキキニン受容体刺激で誘発されるM-curentの抑制は減弱した.Oxo-MによるGq/11を介したM-currentの抑制はノックダウン後も減弱しなかった.これまでの観察結果から腹腔神経節ニューロンのタキキニン受容体シグナル伝達ではタキキニン受容体にはGα14βγが共役しており,タキキニン受容体刺激で電位依存性カルシウムチャネル(Cav2.2)とカリウムチャネル(KCNQ)が調節されることが明らかになった.電位依存性のカルシウムチャネル電流抑制はGβγ放出によるもので,カリウムチャネル電流抑制はGTP結合により活性化したGα14によるものであることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内臓痛に関与する腹腔神経節ニューロンのシグナル伝達機構の一部が徐々に明らかになりつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は内臓痛治療に繋がる創薬にむけてさらなる研究を計画中である.
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Causes of Carryover |
(理由) 予想以上に研究が順調で消耗品の購入が少なく済んだ. (使用計画) 来年度の研究消耗品の購入に充てる予定である.
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