2016 Fiscal Year Research-status Report
性別、発達段階に応じたライフステージ依存性麻酔後効果の検討
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16K15678
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00256075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30580724)
高瀬 堅吉 自治医科大学, 医学部, 教授 (80381474)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 吸入麻酔薬 / 行動実験 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、吸入麻酔薬が高次脳機能に対して示す曝露後の短中期的作用(麻酔後効果)に着目し、マウスを対象とした網羅的行動テストバッテリーを組み合わせて、吸入麻酔薬の麻酔後効果を網羅的に検討した。その結果、成体期の雄性個体でイソフルランおよびセボフルランについて麻酔後効果を見いだし、多様な麻酔後効果の文脈依存的臨床還元という新たなパラダイムを麻酔科学研究に導入した。しかしながら、当該パラダイム一般性の拡大、その先にある臨床還元性の向上には、性別、発達段階に応じたライフステージ依存性麻酔後効果の検討が必要である。本研究ではこれを検討し、現行の麻酔科学、麻酔科医療の領域を広げて、麻酔科医が活躍するフィールド開拓の礎となる知見を提供する。 まずは幼若動物に対するデスフルランの影響を検討している。それと並行して老齢マウスおよびアルツハイマー型認知症モデルマウスの繁殖を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼若動物の実験はすでに進めており、デスフルランのデータを収集している。 また、老齢マウスとアルツハイマーモデルマウスも問題なく繁殖を進めており、平成29年度には実験を実施できる準備ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 幼若期の雌雄マウスに網羅的テストバッテリーを課し、成体期の雄性マウスで既に麻酔後効果が検討されたイソフルラン、デスフルラン、セボフルランについて、性別、発達段階に応じた麻酔後効果を検討する。 2.成体期の雌性マウスを対象に1と同様の実験を行う。 3.老齢期の雌雄マウス、アミロイドベータを脳に過剰発現した雌雄トランスジェニックマウス(アルツハイマー型認知症モデル)を対象に1と同様の実験を行う。 4.上記の結果をもとに麻酔後効果が認められる行動テストに絞り、麻酔薬曝露からの時間および濃度を変えて、麻酔後効果を包括的に評価する。
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Causes of Carryover |
マウスの繁殖数およびケージ維持費用が予想より少なかったため残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は使用ケージ数が増える予定であり、残額は追加でその費用に充当する。
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